2018年08月01日
特別展「夢・未来・そして宇宙へ!宇宙兄弟展2018×やまぐちと宇宙」開催中!
実際の紙面はコチラ(公開期間は発行から1カ月間です)
この夏、山口博物館で開催中の特別展を紹介します。
第1部では、小山宙哉の大人気マンガ「宇宙兄弟」の初公開を含む貴重な原画120点を展示し、そのうち47点はなんと全国初公開です。ぜひ原画の迫力を味わってください。また、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の特別協力で今話題の「はやぶさ2」の模型、「宇宙服」なども展示。宇宙飛行士気分が味わえるフォトスポットも4カ所あります。
第2部では、山口県と宇宙との驚きの関係を展示。山口県に落下した山口市の「仁保隕石」と岩国市の「玖珂隕石」の実物を、二つとも東京の国立科学博物館から約20年ぶりに里帰り展示しています。
さらに、当館でしか買えない宇宙兄弟オリジナルグッズや宇宙食などの販売も人気です。
この夏は、涼しい山口県立博物館で夢のある展示を見て、未来と宇宙を体感してみませんか。
山口県立山口博物館 学芸課 杉江 喜寿
2018年07月04日
夏の特別展「夢・未来・そして宇宙へ! 宇宙兄弟展2018×やまぐちと宇宙」開催!
▲©小山宙哉/講談社
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山口博物館ではこの夏、明治150年プロジェクト「やまぐち未来維新」の一環として特別展を開催します。
第1部では小山宙哉の大人気マンガ「宇宙兄弟」(2千万部以上発行)の初公開を含む貴重な原画約100点を展示します。中四国地方初の大規模作品展です。また、原画の関連展示として宇宙航空研究開発機構(JAXA)の特別協力による「H-ⅡBロケット」や「はやぶさ2」の模型などもやってきます。
第2部では、山口県に落ちた隕石や山口大学の研究、県内の宇宙関連施設など「やまぐち」と宇宙の驚きの関係を紹介します。
原画を含めて展示物の多くが撮影可能で、限りなく本物に近い宇宙服で撮影できるコーナーや3Dふしぎ回廊(宇宙編)などの体験コーナーも盛りだくさん!
会期は7月19日(木)から9月2日(日)まで。この夏は、山口県立博物館で夢のある展示を見て未来と宇宙を体感してみませんか。
山口県立山口博物館 学芸課 杉江 喜寿
2018年06月06日
きらり山口! もの作り人物伝
▲柏木 幸助
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写真は国産初の水銀体温計を製造した柏木幸助(1856~1923)です。防府出身で明治から大正にかけて活躍した技術者で実業家です。代々続く薬屋に生まれ、本名を房次郎と言いました。安全マッチの製造に始まり、体温計などを発明、改良しました。特に水銀の目盛りが下がらない「留点体温計」は有名です。彼は工場焼失などの困難にもめげず、新聞の発行や薬剤師会の振興など地元のために力を尽くしました。
山口博物館では明治150年を記念して、幕末から明治・大正にかけてもの作りの分野で活躍した人物に焦点をあてたコーナー展示「きらり山口!もの作り人物伝」を開催中です。柏木幸助の他にも山口ゆかりの藤島常興(1828~1898)、藤岡市助 (1857~1918)が機器製造や電気事業において活躍した業績を紹介しています。郷土の先人の偉業にふれるまたとない機会です。6月24日(日)まで開催していますので、ぜひご覧ください。
山口県立山口博物館 学芸員 荒巻 直大
2018年05月02日
今年の星空
▲火星(撮影:廣瀬功幸)
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新年度が始まって1カ月経ち、少し落ち着いてきた頃ではないでしょうか。今回は、これからの大きな天文イベントをご紹介しましょう。面白い天体ショーがいくつも見られます。
7月から8月にかけては、15年ぶりに地球と火星が大接近します。5月頃からオレンジ色に輝く火星が、夜空でとても目立つようになります。
7月28日(土)には、山口県で皆既月食が見られます。月食は午前3時20分頃から始まり、空が明るくなり始めた4時30分に皆既となります。
12月7日の前後1日ほど、火星と海王星が大接近して見えます。望遠鏡でなければ見られませんが、とても面白い光景になるでしょう。
来年1月6日には、午前8時40分頃から山口県で34%ほど欠ける部分日食が見られます。日曜日なので、日食グラスを使ってぜひ観察してみましょう。
これらの現象のいくつかは山口博物館でも観望会の開催を計画しています。どうぞお楽しみに。
山口県立山口博物館 天文担当学芸員 松尾 厚
2018年04月04日
「緑のたより」で花巡り
▲オキナグサの花(山口県絶滅危惧ⅠA類:秋吉台)
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例年になく積雪の多い厳しい冬でしたが、ようやく日差しが暖かくなり、道端や野山の植物が芽吹き、花も咲くようになりました。
日本を代表するカルスト台地の秋吉台では、この時期に貴重な「オキナグサ」の花が見られるようになります。このオキナグサは「翁草」という漢字からもわかるように、果実の白い毛がおじいさんのヒゲのように見える不思議な植物です。また、花もおもしろく、花びらに見える赤い部分は、「萼」です。このように萼が花びらのように見える花は身近なアジサイなどでもみられます。
博物館では、オキナグサを含むジオラマ展示の他に、県内や博物館周辺で「おもしろいなぁ」と感じた植物を「なっとくんの『緑のたより』」として、写真や解説で数多く紹介しています。各地で見かけた植物(花)をジオラマや「緑のたより」でぜひ探してみてください。足元の目に見えないような小さな花や、頭の上でひそかに咲いている花をもっと見つけたくなりますよ。
県立山口博物館 植物担当 杉江 喜寿
2018年03月07日
星の風景
▲大西浩次「天空を繋ぐ光」(北アルプス・燕岳)
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皆さんは「星景写真」という言葉を聞いたことがあるでしょうか? 星景写真とは、星空と風景を一緒に写した「星空のある風景写真」のことです。20年ほど前から少しずつ目にするようになり、今では天体写真のジャンルとして地位を確立しています。
素晴らしい風景を前景とした綺麗な星空の写真は、抜群の美しさです。雪景色の山々と星空、眠る海と星空、湖に映る星々、木々の間から見える星空など、夜空を見上げて感動した原体験を思い起こすような心に残る写真です。
山口博物館では、星景写真の展覧会を4月8日(日)まで開催しています。自然の美しさを再発見していただけると幸いです。
県立山口博物館 天文担当学芸員 松尾 厚
2018年02月07日
明治時代の大発見! 国内最大級の銅鏡
▲写真提供:柳井市教育委員会
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写真は、1892(明治25)年、柳井湾を望む標高68メートルの尾根で、柳井茶臼山古墳の石室開口部を偶然発見した地元の2少年(前例中央の二人)と発掘した地元消防組、そして出土した埋葬品を写したものです。古墳は県内3番目に大きい前方後円墳で、この地域を治めた豪族が葬られたと考えられます。石室から面径44.8センチの国内最大級の銅鏡(東京国立博物館所蔵)をはじめ、銅鏃、鉄剣、玉類などが出土して、全国的に有名になりました。現在、山口県立山口博物館の常設展示室で、その副葬品の一つである推定面径18センチの銅鏡(約30片に割れています)を展示しています。
その後、古墳は本格的な学術調査が行われ、1948(昭和23)年、国の史跡に指定され、現在では築造時の姿に復元されています。
山口県立山口博物館 学芸員 荒巻 直大
2018年01月10日
明治150年記念テーマ展「奇兵隊の軍服と袖印」開催!
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いよいよ明治150年がスタートしました。山口県立山口博物館では、年頭を飾るテーマ展として、皆さんご存じの奇兵隊の軍服と袖印を紹介します。
幕末期、軍備の近代化に伴って隊士の服装も洋式に変わりました。展示する軍服は、奇兵隊小隊司令の元森熊次郎(1845~1868)が、戊辰戦争の新潟戦で負傷した際に着用していたものです。全体は洋装ですが、ズボンは袴仕立てで、過渡期ゆえの和洋折衷式となっています。時期や使用者が明らかな奇兵隊の軍服一式として極めて貴重で、一般公開は初めてです。また、軍服の袖に付けた、隊名と名前を記した名札「袖印」や、元森熊次郎がこの軍服を着て京都で撮影したガラス写真、小隊旗、飯箸、お守りなど展示資料は15点。会期は1月5日(金)から2月12日(月・休)まで。この機会に、ぜひ博物館へお越しください。
山口県立山口博物館 歴史担当学芸員 山田 稔
2017年12月06日
冬に観察できるクヌギカメムシの産卵
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12月から1月の晴れた日に、クヌギやコナラのでこぼこした幹を上から下まで丹念に観察してみると、写真のようにカメムシが産卵している現場を発見できるかもしれません。このカメムシはクヌギカメムシで、真冬に産卵することが知られています。産卵された卵はゼリー状の物質におおわれています。2014(平成26)年にこのゼリーの秘密が明らかになりました。このゼリーには卵からかえった幼虫たちの成長に必要な栄養分が含まれていて、真冬にふ化した幼虫は、2回脱皮して3令幼虫になるまでゼリーを食べ成長します。さらに驚くのは、ゼリー内には親の体内に共生している共生細菌の塊もあり、栄養と同時に共生細菌も体内に取りこまれます。共生細菌は増殖し、タンパク質を合成するために必要なアミノ酸の合成にかかります。
山口博物館では、小さな動物の冬越し観察会を1月26日(金)に実施します。葉や樹皮、朽木や土の中などにいる虫たちを発見してみましょう。
山口県立山口博物館 動物担当 田中 浩
2017年11月01日
山口で出土した古代の漢字練習帳
▲「千字文」音義木簡
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写真は一昨年4月に吉田遺跡(山口大学吉田キャンパス内)で山口大学が発掘した音義木簡(=漢字の読みを万葉仮名で書き表したもの)です。書かれている文字の原典は、飛鳥時代以降漢字の教科書として使われていた「千字文」です。音義木簡としては国内5例目ですが原典が判明するものとしては国内初の発見で、この木簡から古代の吉田遺跡に古代官衙(=役所)が存在していたことがわかります。
この「千字文」音義木簡のレプリカや、吉田遺跡から出た墨書土器などを、11月25日(土)から山口県立山口博物館で開催する「山口県大学ML(ミュージアム・ライブラリー)連携特別展」で展示します。本展は山口県内13の大学にある17の博物館・図書館が連携し、各大学・各館の貴重な学術資料や研究成果を公開する県内初の特別展です。各大学・各館の特色を生かした魅力ある資料が出展されます。この機会にぜひ御覧ください。
(会期:12月24日まで)
山口県立山口博物館 学芸員 荒巻 直大