サンデー山口

　神田川
　祭りの中を流れけり
　　　　　久保田万太郎
　各地で行われる夏季の神社祭礼を総称し夏祭りと呼び、俳句の季語としても祭囃子、祭太鼓、祭笛、祭笠、祭提灯などが並んでいる。
　夏祭りの代表的なものは、京都八坂神社の祇園祭りで、999（長保1）年にはじめられてから全国的にひろがる。
　山口八坂神社の祭礼は山口祇園会と称して1492（明応1）年に施行されたと、大内氏実録に大がかりな祭礼としても残されている。
　防長風土注進案によると、早朝から笛と鉾の行列は堂ノ前を発して祇園社に至り、楼門の前庭にて舞い鷺舞と呼称するとある。
　史都と呼ばれる山口の伝承的な夏の風物詩として今につづく。
　最近刊行された山口市の市史史料編民俗・金石文にも次の記事がある。
　山口祇園会は祭事進行の節、囃子物として山車と神事芸能鷺の舞が行われる。
　その支持母体は異にし山車が大町（大市・中市・米屋町の総称）と道場門前、つまり山口の町中中心勢力でもある商業者を支持基盤とするに対し、鷺の舞は職人層からなる堂ノ前を母体とした。
　両者は古き時代の通称でいえば石見街道をはさむ両側の町筋とされている。
　県内でも中心商店街の地盤沈下に悩む市があって祭りの夏は山口から。（鱧）  

▲ゆう太と自販機

　湯田温泉マスコットキャラクター「湯田ゆう太」がデザインされた飲料自動販売機が、このほど湯田温泉観光案内所（湯田温泉2）前にお目見えした。ご当地キャラクターの自販機は、県内では初の設置となる。
　2年前からアサヒ飲料のテレビＣＭに出演している縁で、今年初めに同社中国支社が設置を提案。その案を基に、湯田温泉旅館協同組合の瀧下尚子さんが、デザインの最終形を決めた。ゆう太をメーンに、ガールフレンドのゆう子も登場している。「温泉マークを入れた自販機は、全国的にも例がないのでは」と瀧下さん。
　利用者には「かわいい」と好評で、今後2号機ができる可能性もあるという。  

▲舞の海秀平さん

　憲法改正を目指す国民運動組織「美しい日本の憲法をつくる山口県民の会」の設立総会および記念講演が、7月4日（土）午後1時から、ホテルかめ福（湯田温泉4）で開かれる。
　これは、昨年10月に結成された「美しい日本の憲法をつくる国民の会」（共同代表：櫻井よしこ、田久保忠衛、三好達）と連携する地方組織。来年7月の参院選に合わせた憲法改正国民投票の実現・改正成立を目標に掲げており、すでに多くの県で同様の「県民の会」も結成されている。
　記念講演の講師は、「国民の会」代表発起人の一人、大相撲解説者で元小結の舞の海秀平さん。彼は、昨今の日本人力士の「甘さ」「弱さ」は憲法前文に影響するとの持論を展開している。「諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」とあり、日本人力士は「自分は真っ向勝負で戦うから相手も真っ向勝負で来てくれるだろう」と信じて外国人力士にぶつかっていく。ところが相手は、その裏をかくような戦略をいろいろと立ててくる。すなわち憲法前文も、逆に「諸国民の信義」を疑わなければいけないのでは、というのだ。演題は「可能性への挑戦」で、大型力士と戦い続けた現役時代のエピソードや、相撲界の舞台裏なども聞くことができそうだ。
　参加希望者は直接会場へ。入場は無料で、定員は500人。問い合わせは同会事務局の「日本会議山口」（TEL083－922－0506）へ。  

　大祓は、6月と12月のみそか（三十日）に日常で犯した罪や心身の汚れを除き去るための行事。6月は夏越の大祓といい、けがれを取り除くための「茅の輪くぐり」が、市内の各神社で開催される。実施内容や時間は、次の通り。

仁壁神社（三の宮）

　あす28日午前11時から。夏越の大祓祭と茅の輪くぐりに加えて、お神酒や薬膳粥が振る舞われる（午前10時から午後3時まで）。竹と短冊が用意されており、願いを書いた短冊は、同神社の七夕祭で飾られる。TEL083－923－0342

山口大神宮（滝町）

　30日（火）午後3時から。参拝者は大祓の神事を受けてから、神楽殿前の茅の輪をくぐり、無病息災を祈る。なお、茅の輪は7月15日（水）まで通ることができる。TEL083－922－0718

古熊神社（古熊）

　30日午後4時から。参拝者はおはらいをした後、茅の輪をくぐって日ごろの罪やけがれを清める。TEL083－922－0881

今八幡宮（八幡馬場）

　30日午後6時から。七夕の竹と短冊も併設され、茅の輪とともに置かれる。短冊は飾った後に、おたきあげされる。TEL083－922－0083  

▲達成感は、やみつきに

　夏の風物詩、山口祇園祭に向けた打ち合わせ会が、12日に県神社庁（天花）で開かれた。
　同祭のリード役を務める約60人が参加。およそ1時間かけ、祭典日時（7月20日から27日まで）・奉納神賑行事、御神幸・御還幸御神輿奉仕、交通規制、その他行事（市民総踊りなど）について確認をした。
　今年の神輿担ぎ手の地区割りは、御神幸（同20日）が8角（手名槌命・足名槌命）＝大殿地区、6角（素盞嗚尊）＝白石地区、4角（稲田姫命）＝宮野地区で、御還幸（同27日）が8角＝大殿地区、6角＝白石地区、4角＝女御輿。
　全体打ち合わせの終了後は、祇園祭振興会および神輿関係者によって、3基の御輿の巡行ルートや交差点に入る順番、中心商店街「魔法の屋根」の下での回し方等、細かな内容確認がなされた。

担ぎ手募集中

　「祭りは、見るより参加する方が楽しい！」。よそでは常識のことが、なぜか山口市では逆にとらえられることが多い。だが、参加した人に聞くと、みな「やって良かった」と口をそろえるから不思議だ。
　これまで山口祇園祭は、旧市街の人たちが中心となって支えてきた。だが、高齢化の進展やドーナツ化現象のあおりを受けて、担い手不足も深刻化。そこで近年では、旧1市5町全域から参加者を募るようになった。
　まず、祭りの「花形」①男神輿。巡行日は初日の20日（月・祝）と最終日の27日（月）で、どちらか1日だけの参加も可能。時間は、着替えも含めて午後6時から9時半まで。応募締め切りは7月13日（月）。次に、祭りの「華」②女御輿。巡行は27日で、時間は同じく午後5時から9時半まで。締め切りは同10日（金）で、定員は先着95人。申し込み・問い合わせは、①は祇園祭振興会（TEL083－921－1566）、②は市商店街連合会（TEL083－925－2300）へ。
　女御輿の「指揮者」を務める沓野優紀さんは「参加すれば、この達成感は絶対やみつきになります。山口の伝統・歴史を支えている実感も得られ、何より楽しいですよ！」と参加を呼び掛けている。

7月5日 本番前にお披露目 祇園囃子

　初日に御輿を先導するのは、祇園囃子を奏でる山鉾。祭りに向けた気運を高めようと、7月5日（日）午後5時から、山口駅（改札前）で本番前に祇園囃子がお披露目演奏される。問い合わせは、山口観光コンベンション協会（TEL083－933－0088）へ。  

第6525号 2015年6月27日（土）号掲載の広告



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広告の詳しい内容については、
サンデー山口 電子ブック 第6525号 2015年6月27日（土）号を
ご覧ください。  

　12日付の小欄で、「日本創成会議」による東京都および周辺3県への地方移住提言について書いた。概要は、その「移住先」に山口市が選ばれたのは、人口減少改善、消費喚起、雇用創出等につながる、大きなチャンス。移住提言には、「縁もゆかりもない土地に、簡単には行けない」と批判する声も多いが、10（平22）年から山口商工会議所が目指している「世界一のアクティブエイジングシティー」になれば、その批判を封じ込めることもできよう、というものだ。
　一方では市も「健康都市の実現」に向けて、本年度から17（平29）年度を対象期間とする「山口市元気いきいき推進計画」を策定している。
　各種調査から現状と課題を洗い出し、さまざまな分野における市民の「目標」を立てた。「1日3食食べ、栄養バランスのとれた健康的な食生活を実践」「身体活動の増加や習慣的な運動に取り組む」「節度ある適度な量を守って飲酒し、健康を維持」「定期的に健康診査やがん検診を受診し、その結果を健康管理に活用」などが並ぶ。
　耳の痛い「目標」ばかりだが、目指すのは、市民が各地域で「自分らしく健やかに安心して生活できている」都市の姿だという。そのことを第一に、あまりムリせず、健康体を目指したい。（Ｋ）  

　常栄寺は毛利隆元の菩提寺だが、庭園は大内氏29代政弘が、室町時代中頃に画聖雪舟に命じて作庭されたものといわれる。近年前庭が整備され、旧鐘楼門の上部が保存されている。幾たびか寺の変遷があり、また火災で焼失してしまう。そうした常栄寺建物群の中で往時の姿をとどめる鐘楼門。かつてこの下をかいくぐり、雪舟庭へと導かれ撮影したことを思い出す。

歴史ある鐘楼門を残された場は綺麗で、そのまま表現する。
（ニコンＤ200 70ミリ　F8　1／125秒）  

　5月26日にスマートフォンや携帯電話の使い方について考える「親子討論会」（5月30日付本紙記事で紹介）を実施した山口高（伴浩一校長）は、生徒会とＰＴＡによる「ケータイ・スマホ使用の共同宣言」を11日に発表した。
　タイトルは「クールなスマホ使用三カ条」で、内容は、「コミュニケーション～もらった人の笑顔を一番に」「コンフィデンス～家族と過ごす時間を大切に」「チャレンジ～使用時間の3倍以上勉強を」。  

　市内唯一のハンドボールクラブ「山口ハンドボールクラブ」（14人）が、このほど「中学生の部」を創設した。
　現在県央部では、ハンドボールは高校の部活でしか本格的に始められない。そこで、山口高ハンドボール部ＯＢを中心に設立された同クラブが「中学生から体験できる場を作ろう」と、立ち上がった。
　対象は、市内中学生。練習日時は毎週土曜午後1時半から4時までで、場所は山口高ハンドボールグラウンド。年会費は千円（保険代含む）だ。
　「高校でハンドボールを始めようと思っている人、学校の部活に入るのをためらっている人、あいさつ・メンタルづくりをしたい人、一緒に楽しんでみませんか？」と同会。申し込み・問い合わせは、松村純人さん（TEL090－1019－2569）へ。