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2000年01月01日

No.74 「タツノオトシゴ」

No.74 「タツノオトシゴ」

評論社
文:クリス・バターワース
絵:ジョン・ローレンス
訳:佐藤見果夢
 自然科学分野に疎い私は、科学絵本を通して今まで知らなかった事実に出合い、驚かされることがよくあります。
 『タツノオトシゴ』もその一冊。甲殻類の一種だと思っていたのですが、実はれっきとした魚の仲間。メスはオスのおなかのふくろの中に産卵し出産はオスの仕事。夫婦互いに忠実で一生相手をかえないことや、サンゴ礁の中にすみかを決め、必ずそこへ戻ってくることなど、一冊の絵本からタツノオトシゴの生態についてたくさんのことを知ることができました。
 魚とはいえ泳ぎの苦手なタツノオトシゴは、体の色を変えることで敵からのがれ、尾ビレのかわりに発達したしっぽをサンゴにからませて潮の流れから身を守るそうです。小さいからだに生きるための最大限の工夫がなされていることを知り、生命の不思議を思わずにはいられません。
 タツノオトシゴは乱獲による絶滅が心配されていますが、地球の仲間として生き残ってほしいと心から思います。
(ぶどうの木代表・中村佳恵)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)えほんのとびら
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