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2002年04月14日

札の辻・21

 石走る垂水の上のさわ
 らびの萌え出づる春に
 なりにけるかも
 万葉の古歌にもあるように、野づらに芽吹く山菜のいのちの鼓動を知らせるのは、まずワラビである。
 先週の日曜、山菜を食べることや、酒の肴の手づくりなどで話の合う花屋の主人と、阿東町から徳地町にかけて山菜採りに出かけた。
 職業柄山野草を愛する自然派の彼は、ワラビのほかにコゴミ、ウド、タラの芽などが、中国山地の山々のどこを探せばたくさん採れるか地理的にくわしい。
 この日木戸山トンネルを抜けると、阿東地区は田植えの準備中で、コブシの花の終わった山ぎわの棚田には、すでに水が張られていた。その棚田につづく山の斜面 が、白一色に彩られているのは、段丘に造成したナシ園の満開のナシの花であった。これからリンゴの花も咲き東北地方並に果 樹園の春がたけなわとなる。
 早く暖かくなったので、ワラビの伸びは良いかと思ったのだがそれほどでなく、薄みどり色の若葉を広げたフキや、赤味を帯びた芽と茎に勢いのあるイタドリが目立つ。
 阿武川上流の里山から一転して、今度は佐波川上流の峡谷へと道を替える。
 大原湖に至るまでの峡谷の山肌は、ヤマザクラとヤマツツジが見事に咲いていた。そして聞こえてくるのは野鳥の囀りである。繁殖期を迎えたウグイスやホオジロが、高音を張ったり長く複雑につづけて鳴いたり、各々に恋歌とテリトリー宣言の交唱が賑やかだ。
 タラの芽、ワラビ、ゼンマイ、コシアブラの芽など採ってきた山菜は早速天ぷらで食べる。目と、耳と、舌にたしかめる季節感が楽しい。 (鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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