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2002年06月16日

札の辻・21

 ヒマを利用し野菜づくりに励む友人がいる。長い間の県庁勤務を終えてからはじめた気ままな畑仕事らしいが、時季ともなれば、それなりの野菜が収穫されるようで、ことしも初夏を迎えてとれたての見事なタマネギが到来した。
 いつかは出来すぎてヘチマかと思うほど大きくなったキュウリも届いたが、それほどになるまで畑に出るヒマが無かったのだと思う。あるいは持病の腰痛が起きたのかも知れない。
 さくもつ事典によると、タマネギは世界の野菜の中でもっとも古い歴史をもち紀元前5000年頃のカルデヤ国でも、また紀元前4000年頃のギリシャでも、いずれもタマネギは神聖なる野菜として、神殿に供える祭事が行われたことが、ギリシャやローマ時代の記録に残っているという。
 現在では東西の料理に欠かせないタマネギが、日本に渡来したのは明治になってからで、明治初年の「西洋蔬菜栽培法」にタマネギの品種が紹介されているが、アメリカとフランスから輸入し北海道の札幌村で試作した。その後明治24年頃には大阪の泉州でも本格栽培され、シドニーへ輸出するようになった。
 野菜のルーツを訪ねる「野菜探険隊異色紀行」(文芸春秋版)によると、中国西部の天山山脈から更に西へ、タシケントやサマルカンド、そしてヒンズーク山脈あたりを踏破しつつ、タマネギの原種らしきものを発見したという。
 タマネギは砂漠の涯に至るはるかなる距離と歴史を持つ野菜であると知り、到来した大タマネギを大事に軒先に吊した。
 ともあれ、今は村夫子然として土に親しむ友人であるが、長い役人生活の中では、ひっそりとタマネギの皮をむいたこともあったであろうか。 (鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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