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2003年04月13日

札の辻・21

 日本の四季は春夏秋冬をきめこまかく分ける。
 そのうちで春ほど待ち遠しく思われる季節はない。冬来りなば春遠からじ│という言葉があるほど、冬を迎える前からすでに春へのあこがれが強い。東北や北海道など北国の人々にとって春の到来は感動的ですらある。
 アジア大陸の東方に位置する日本列島は南北に長く、沖縄から北海道まで北緯26度から45度に及び、小さい島国ながら緯度の隔差は、中国や米国など大陸国家と同じに等しい。春にはその列島を 南から北まで花前線がひと月以上もかけて北上する。
 花前線を追うように、蜜蜂のキャラバンもまた種子島から十勝平野まで、レンゲ、ミカン、ナシ、リンゴ、アカシヤなどの花をもとめて長距離旅行がつづく。
 ウメ、コブシ、レンギョウ、サクラと咲いてきた山口盆地の花も、これからツツジ、フジと行く春の花暦も替わる。
 サクラが葉ザクラとなった頃、仁保川の上流や荒谷川など椹野川の支流を歩くのも良い。
 サクラが散り、花筏となって流れ去ったあと、川面の上にまで枝を伸ばしたエゴノキを見かけることがある。この木は雑木林の中でも晩春から初夏にかけてもっとも存在感を見せる。それは下向きに咲く白い小さな花をたくさんつけるからだ。エゴノキの花も散るときは折り重なって花筏となりゆったりと川を下る。
 地方名をチナイと呼ぶエゴノキは、材質がすぐれており、大内塗りの人形や漆器の原材として使われ、山口には古くからゆかりが深い。
 花が果てるとホタルの夜が近づく。(鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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