サンデー山口

　お正月の新聞は分厚く、読みきれないほどの世界の出来事が書かれています。その中で、私が一番関心を持ったのが「戦争」です。昨年はたくさんの人が亡くなりました。国内でも人が殺されるという事件が幾つもありました。親が子を、子が親を、若者同士、友達の間、夫婦の関係で……ある時期には事件が続き、日本列島に死体がゴロゴロという印象を受けました。
　戦争や殺人には兵器や包丁などの道具が使われます。もし、兵器や道具が発明されていなかったら、人は殺しあわなかったでしょうか。殴りあうくらいですんでいたでしょうか。石も鉄も生活用品にのみ使用することしか私達が考えつかなかったら、どうでしょう。
　紀元前３０００年には、メソポタミアで石器製武器が使われています。同１９５０年頃には、青銅製の剣ができ、同１５００年には、鉄器が登場し、同10世紀頃には、遠心力をもちいた投石具が使われ、同４３１年のアルキダモス戦争では、最古の毒ガスが使われました。火器、大砲、鉄砲、ライフル、艦載砲、環付銃剣、機雷、ロケット。１９３８年には、ウラニウムの核分裂によって連鎖反応が起こることが発見されました。原爆実験成功……。
　これからどのようなものが発明されるのでしょうか。身に鉄をまとった深海の生き物が発見されたというのは、なにかを象徴しているような気がします。私達は、これから柔らかい温かい身体を捨て、重い鉄の身体に変化するのでしょうか。異変は、小さな生き物から始まります。