2004年02月13日
夢のみずうみ村でボランティア養成事業開始
NPO法人夢の湖舎(藤原茂理事長、TEL083-995-2820)は、山口市吉敷のデイサービス施設「夢のみずうみ村」でボランティア養成事業を開始する。一般的な「養成講座」と異なり、日程やカリキュラムは定めず、受講者の希望や都合に合わせて自由に学べるユニークな手法を採用。バラエティに富んだ同施設の機能や、経験豊かなスタッフのアドバイスなどを活用して、人材の育成と同時に”ボランティア風土”を築くことを目指す。
NPO法人夢の湖舎は、5つのボランティア団体が集まって00年に設立。01年9月に、吉敷の山林を切り開いた「夢のみずうみ村」をオープンした。昨年10月には、大規模な拡張工事を実施。覚醒プールや3次元映像による感覚刺激設備などを備え、身体障害者・知的障害者・児童デイサービスを行う支援費事業に対応した施設が完成した。
ボランティアの養成は、同法人の定款にも盛り込まれている重要な活動のひとつ。常に積極的な事業展開を進めている藤原理事長は「ハード面の整備が一段落し、ようやく施設として機能しはじめた。今こそ、人材育成に乗り出すタイミング」と意気込む。
「みずうみ村」で行うボランティア養成は、一般的な養成講座とは異なり、決められたカリキュラムや日程、時間割などはない。個々の受講者が、1カ月から3カ月単位の期間を決めて施設に通い、それぞれの特技や興味に合わせたボランティア活動に取り組む。通うペースは、毎日でも週に1度でも構わない。また活動内容も、プールや感覚刺激などを利用する障害者たちの介助のほか、スタッフの手伝い、施設で使う道具づくりなど様々。歩行訓練をする人と一緒に歩いたり、話し相手になること、本の読み聞かせや一緒に食事をすることなど、人間関係を築くこと自体がボランティアの重要な役割だと考えている。
また「山口ではボランティアを日常とかけ離れた特別なものと考えている人が少なくない」と藤原理事長。都会では、ボランティア活動が日常の中にある。例えば、学生ボランティアが卒業する時には、後輩が自然にその跡を受け継ぐようなつながりが出来上がっている。こうしたボランティア風土を、山口にも根付かせたいというのが、同NPOの願いだ。
「ボランティアを求める施設の側にも原因がある。スタッフでまかなえない部分の人手間をボランティアに求めるからだ」とも指摘する。気負わずに、楽しみながら活動することができれば、日常生活の中に余暇活動としてのボランティアを根付かせられると考えている。下関から通っているある男性は、常に自分で見つけた仕事を次々にこなし、夕方になると風呂に入って帰っていくという。藤原理事長は「ボランティアの原則は、施設に負担をかけないこと。そういう”ボランティア心”を持った人を育て、地域に送り出していきたい」と語り、ボランティアのネットワーク拠点になることも目指している。
Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)
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