2004年04月18日
大丈夫? 自転車のルール・マナー
自転車に乗る市民のルール違反やマナーの悪さが目立っている。山口警察署は、昨年から自転車マナーアップ運動を展開。6日から15日までの春の全国交通安全運動でも「自転車の安全利用の推進」を重点目標に掲げるなど、必死の呼びかけを行っている。しかし、誰もが手軽に利用できる身近な乗り物だけに、安全意識がなかなか徹底しないのが実情だ。
山口警察署は、昨年度から自転車のマナーアップ運動を展開。マナー低下が著しい自転車の、正しい乗り方を徹底するとともに、事故防止につなげようと指導を行っている。
パトカーなどが警ら中に違反や危険な運転をしている自転車を発見した場合、口頭で警告を発するほか、呼び止めて警告票を交付する場合もある。しかし、自転車は自動車や自動二輪に比べて危険性が低いため、本格的な取り締まりまでは行っていない。同署交通課では、「自転車も法律の上では車両の一種。道路上で運転する時は、きまりを守らなければ処罰の対象となる」と呼びかける。
違反の中で目立つのが「二人乗り」。最近は、同乗者が後輪の車軸に立ち、運転者の肩につかまる姿を多く見かける。しかし、この形は不意の転倒によって同乗者が大ケガをする危険性が高い。同乗者がケガをした場合、運転者は「重過失」に問われることもあり、その際には賠償など相当の負担を強いられることになる。「絶対にやめてもらいたい」と同課。ちなみに、二人乗りは道路交通法の「乗車人員制限違反」にあたり、「2万円以下の罰金または科料」という罰則が定められている。
雨の日の傘さし運転や夜間の無灯火は、実際に、自動車との衝突事故の原因となっている。傘さし運転は、ハンドル操作が片手になる上、風の影響を受けてバランスを崩しやすい。また、傘によって視界が遮られるため、自動車などの接近に気付くのが遅れ、事故に巻き込まれる可能性が高くなる。交通安全運動中の14日には、通勤・通学時間帯に当たる午前8時前に雨が降ったため、傘さし運転が目立ち、多くの人がパトロール中の警察官などに注意を受けた。また無灯火は、対向車が気付かずに接触・衝突する重大事故も発生しているほか、歩行者からも視認しにくく、事故の加害者となる可能性もある。
駐輪や歩道・商店街の通行は思いやりを
一方、マナーの悪さが目立つのが駐輪だ。商店街や市立図書館などには、駐輪スペースを示す枠線が引かれている。しかし、その枠線を無視して駐輪している自転車が多い。また、枠線内でも、後から来た人が止めにくかったり、すでに止めている人が自転車を出しにいような、自分勝手な止め方も目に付く。
さらに、駅前の駐輪場への放置自転車も一向に減らない。市は、山口、湯田温泉、矢原の3駅で放置自転車の撤去を年2回行っているが、その数は毎回350台以上にもなる。特に湯田温泉は台数が多く、全体の7割を占めている。こうした放置自転車や駐輪マナーの乱れは、県内でもワースト1、2といわれる自転車盗の温床にもなっている。
また、歩道や商店街アーケードでは、歩行者に対する思いやりに欠ける運転も目立つ。歩道は本来歩行者専用で、軽車両である自転車は、車道を通行すべき。しかし一部の歩道では、車両の中でも弱い立場にある自転車の通行を認めている。こうした場所では、自転車は歩行者の通行を妨げないように配慮しながら運転しなければならない。また商店街のアーケードは、午前10時から午後7時まで車両の通行を禁止している。平日は自転車の通行が可能だが、あくまでも歩行者が優先だ。土曜・日曜・休日は、自転車を含む全車両が通行できないが、実際には乗ったまま走り抜ける姿がみられる。
同課では今後、パトロール中などに違反やマナーの悪い自転車を見かけた場合、これまで以上に声をかけたり警告するよう、各警察官に徹底することにしている。
Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)
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