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2004年07月18日

札の辻・21

 寂光というべきか、ルクスを抑えたフロアに立つ彫像は、いずれも怒りの表情も荒々しくて迫力があった。
 県立美術館で開催中の周防国分寺展での四天王立像のことである。
 持国天、多聞天、広目天、増長天の特徴は、各々まなじりが裂けるほど闘志をたぎらせており、特に持国天と増長天の姿態の動きには、踏みつけた邪鬼の指先に至るまで力感に溢れ、闊達に表現した技法におどろく。
 約1200年前に創建された古刹周防国分寺の本尊である薬師如来像と共に、今日まで保存されてきた仏像・肖像を見ると、日本の仏教文化史を密教時代にまでさかのぼって考えさせられる。
 日本書紀によると552年10月、朝鮮半島は百済(くだら)国の聖明王が仏像などを天皇に献上したという記録が残っている。
 「百済の聖明王は日本への外交使節に託して、釈迦の金銅像一体と経典を欽明天皇に送り、書面ではインドから高句麗、百済、新羅に至るまでの国が信仰する仏教を、日本国へも伝えたいと述べている」と。
 現在重要文化財に指定されている彫刻の数は約2400余点で、その内仏像や仏教関係肖像が約2200余点と全体の90㌫を占めるが、これは飛鳥時代から白鳳、奈良、平安、鎌倉、室町を経て江戸時代に至る仏教美術の集大成でもある。
 周防国分寺の薬師如来像は大内盛見の寄贈で、大内氏は歴代が寺の護持につくし、毛利氏もまたそれを引き継ぎ、大内義隆、毛利輝元の自筆も展示されている。
 僧重源の座像には仏道実践者の風格が漂っていた。 (鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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