サンデー山口

　ＪＲ西日本や山口線ＳＬ運行対策協議会は、８月１日に運行25周年を迎える「ＳＬやまぐち号」の記念事業を行う。あす22日午前10時半からは、新山口駅構内車両基地で「復活運転25周年記念ＳＬまつり」を開催。また復活記念日の８月１日（日）には、新山口・津和野の両駅から同時にＳＬを運転するなど、25周年を盛大に祝う。

　昭和40年代に、国鉄の近代化・合理化によって全国のＳＬ廃止が決定され、75年にすべての運転が終了した。山口線からＳＬが姿を消したのは、73年９月30日のことだった。その後、多くのファンから勇壮で力強いＳＬの復活を求める声が高くなり、全国約30カ所がＳＬ復活の候補地として名乗りを上げた。その中から、新幹線停車駅があること、沿線に観光地があること、運転区間が適当な距離で、両端にＳＬが方向転換するための設備があることなどの条件を満たした山口線が選ばれ、79年８月１日に「ＳＬやまぐち号」として復活運転が実現した。
　機関車のＣ57－１は、37年から２０１両製造された亜幹線旅客用蒸気機関車の１号機で、優美なイメージから「貴婦人」の愛称で親しまれている。 72年に新潟県植樹祭のお召し列車牽引(けん　いん)を最後に引退。京都・梅小路機関車館で保管されていたが、やまぐち号の誕生に合わせて79年６月に小郡機関区にやってきた。95年には、鷹取工場で阪神淡路大震災に遭うなど、幾度かの危機を乗り越え、25年間やまぐち号を”牽引”し続けてきた。
　97年までは80％以上の高い乗車率を誇っていたが、ここ５、６年はやや停迷。01年には63％に落ち込んだ。しかし、02年以降は再び74～75％に回復。昨年ついに利用者累計が、１５０万人を突破した。
　ＪＲ西日本は、22日午前10時から午後３時まで新山口駅構内車両基地で、復活運転25周年を記念する「ＳＬまつり」を開催する。ＳＬ（Ｃ57、Ｃ56）をはじめ、在来線の様々な車両を展示。ＳＬ運転台の見学や「懐かしのヘッドマーク展」、パネル展、ミニＳＬの運転、ＳＬ運転シミュレーター、スケッチ大会、機関士との記念撮影会など様々な催しが予定されている。ＪＲでは「会場付近には駐車場がないので、公共交通機関をご利用下さい」と呼びかけている。

８月１日は「復活記念日」２本のＳＬを同時運転
　一方、復活記念日の８月１日には、新山口駅と津和野駅を同時に出発したＳＬが途中の篠目駅で行き違う特別運転を行う。
　新山口駅からは、Ｃ57が牽引する「ＳＬやまぐち号」（25年ありがとう号）を運転。午前10時31分の発車に先立ち、10時から同協議会主催の記念セレモニーが行われる。一方、Ｃ56の牽引による「ＳＬ山口25周年記念号」が出発する津和野駅でも、10時11分からセレモニーを実施するほか、９時半からは「腕木式信号機」の建植式も行われる。この信号機は、 81年に撤去された後、国民宿舎青野山荘前庭に保存されていたもの。また、２本のＳＬが行き違う篠目駅でも「記念まつり」が行われる。
　また、同協議会では、この日のＳＬに乗車する一日こども車掌を募集している。応募資格は小学生で、保護者同伴が条件。新山口発、津和野発のいずれかに乗車し、車掌業務を体験。篠目駅で乗り換えて出発駅に戻る。応募は、はがきに郵便番号、住所、氏名（ふりがな）、年齢、電話番号、性別、保護者の氏名（ふりがな）と希望する出発駅を明記して、〒７５３－８５０１　山口市滝町１－１県観光交流課（TEL083-933-3170）へ。応募はあす22日消印有効で、メール(c571@joho-yama.guchi.or.jp)でも受け付けている。