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2004年08月01日

札の辻・21

 7月下旬に訪れた福山の鞆ノ浦は、やはり祇園祭であった。
 家々の軒には紙四手をつけた注連なわが張りめぐらせており、夏祭りの気分が古い町並に漂っている。
 鞆ノ浦では祇園祭といわず「おてび祭」と呼ぶ。おてびとは大手火のことで、肥松と青竹を束ねた長さ4メートル余、重さ約100キロを3体つくり、これに点火して夜の町内を巡って沼名前(ぬま なく ま)神社という祇園社に奉納する火祭りである。江戸時代には祇園祭といったらしい。
 お祭りだからだけでなく、鞆の町には万葉時代から受けつがれた歴史の面影が残っていた。
 江戸・明治から大正・昭和に至る民家や商家の古い建造物が保存されており、狭い道筋に石畳がつづく。
 ひるどきになったので、町角の小体な料理店「おてび屋」に入り、小魚定食を注文した。
 その小魚は我々が考えるキスやメバルといったものではなく、文字通り網からこぼれるほど小さいもので、マコガレイ、カワハギ、メゴチなどいずれも5センチ程度の稚魚ばかりで、キス釣りの外道として釣れて困る赤い小さなオコゼ(別称カナコギ)まで、すべて見事に唐揚げになって登場した。野菜煮とミョウガのミソ汁にお新香が付いておいしかった。江戸時代にはじまった鞆のタイ網漁の網からこぼれた味だと思う。
 店を出るとき土産にと大手火で燃え残った黒こげの木片を貰う。神棚に供えて厄払いになるとか。
 北前船以来、航路の安全を守った大常夜燈のある岩壁の海は澄んでいて、海底にはスズメダイの群れがあった。(鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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