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2004年09月26日

札の辻・21

 長野の松本を訪れたついでに穂高町の安曇野まで足を伸ばした。
 松本から北々西へ北アルプスの常念連峰を左手に走れば久しぶりの安曇野である。常念岳は標高2857メートル、平野のどこからも見られる主峰で、この日は中腹に雨雲を巻いていたが、その情景通りに驟雨が山裾を過ぎてゆき、信州はすでに時雨の季節を迎えていた。
 文芸評論の臼井吉見は安曇野生まれで、彼に「幼き日の山」というエッセーがあった。
ー常念岳の存在が大きく僕の前に姿を現したのは小学3年生のときからである。新しく着任した校長が月曜日の朝礼に毎回、常念を見よ! と呼びかけた。それは秋晴れの又は雪の常念だったが僕たちは常念によって新しい精神の世界を発見したのだった。ーと。
 山麓のみのり豊かな田園にはソバの畑も多く、いま白い花が真っ盛りで黄金色の稲穂とのコントラストが見事だ。
 9月上旬の信州では、早くも自然が演出する秋の彩りがはじまっている。穂高神社の杜近くなるにつれて街路樹のナナカマドの葉も実も赤く染まりはじめ、コナラは黄色を濃くしていた。
 碌山美術館に到着する。ロダンの彫刻に芸術性の高さを知り、パリから帰国した荻原碌山は生命感あふれる数々の力作を残した。代表作「女」の後手のポーズと表情には秘められた情感が漂う。ポプラと白樺の大樹に囲まれ蔦の這う教会風の美術館は、安曇野の空をバックにシンボル的な風景を見せる。次に訪れたワサビ畑から山口の友人に電話して、台風18号の猛襲を知り安曇野回遊は狼狽となった。  (鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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