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2005年02月13日

札の辻・21

 県立美術館で開催中のピカソ展にゆく。
 2月の積雪があった日で、入館者も少なくゆっくりと鑑賞できた。
 ピカソの90歳に及ぶ人生のうち、1917年作の「坐る男」から72年の「男の半身像」までが展示されている。
 ピカソは人物以外は生物も風景も(わずかにバルセロナの風景がある)描かず、人物では背景に灰色を帯びた「青」の色調をもつ、いわゆるピカソの青の時代といわれる頃の作品があるが今回は無く、17年から72年に至る画が主体で、彼の情熱的な気魄と強い感受性を融合させた力作が多くあった。
 展示は、①妻と恋人の間で②戦時下の恋人たち③ジャクリーヌの支えた時代④わが妻ジャクリーヌと、70歳を過ぎても恋をしたピカソの、対人模様の遍歴を示す構成となっている。
 構成順に見ると、ジャクリーヌの登場によって色彩にひときわ鮮烈さが加わりデッサンが力強く「椅子に坐るジャクリーヌ」には、彼女のひざに猫まで描かれており、45歳も年下の妻に寄せる熱い視線を感じた。また淡彩の「髪を結う女」ではピカソとは思えぬ流動的な線画に情感が漂う。
 数年前、スペインのバルセロナにあるピカソ美術館を訪れた。18世紀の貴族の壮重な居館を改造した美術館で、3500点に及ぶピカソ作品が展示されていたが、今回は全作品が個人蔵であることにおどろく。
 見学のあとの快く疲れた眼に、エントランスホールから眺める亀山の雪の樹林と、それにとまるカラスたちが見事な白と黒のコントラストを見せていた。  (鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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