2005年02月18日
朝田神社が集いの場に
毎週土曜日になると、大歳地区中心部にある朝田神社(宮成惠臣宮司)に子どもや地域の人々が集い、普段静かな境内がひときわにぎやかな遊び場に変身している。宮司の妻・眞澄さん(54)が代表を務める「サンマプレゼント実行委員会」が、「時間・空間・仲間」の“3つの間〟を子どもたちに提供しようと、遊びと交流の広場「ぶちええ広場」を開催しているからだ。今も昔と変わらぬ姿を留める神社は、地域交流の拠点として、失われつつある人と人とのつながりを少しずつ取り戻させている。
毎週土曜日の午後1時半から4時半にかけて開かれる「ぶちええ広場」は、文部科学省が委託する「子どもの居場所づくり事業」の助成を受けて同実行委員会が9月にスタートさせた。だんご作りやニュースポーツのペタンク、落ち葉でつくる焼き芋やこま回しなど、今の子どたちがあまり経験しなくなった外遊びを中心に、毎回違った内容を企画。参加するのは主に小学生で、眞澄さんをはじめ地域の人たちが見守る。また第3土曜日には、地区のまちづくり団体が主催する交流サロン「ぶちええほっとサロン」とともに活動。この日には小さな子を持つ親子連れも多く訪れる。
発案者は、母子保健推進委員の他、大歳地区子ども会育成連絡協議会、くすの木母親クラブの会長なども務める眞澄さん。2男5女の母であると同時に長年子どもに関わってきた眞澄さんは、現代っ子に物足りなさを強く感じてきたという。「雨が降れば土から臭いが立つ、そんな身近な自然も感じない子が増えている。核家族化や都市化が進む中で、五感で物事を感じる力、大勢の人との関わりから身に付く知恵やコミュニケーション力を養う場の必要性を感じた」と眞澄さん。そこで、木々に囲まれた静かな境内、どろ遊びやたき火もできる土の地面、昔と変わらぬ空間が残る神社を広く開放することにしたのだ。
今年に入ってからは、七草がゆの会やどんど焼きなどの地域行事も同時開催され、子どもからお年寄りまで200人近くの人が集うこともあった。火のおこし方や昔の地域の様子などを子どもたちに教えるお年寄りの姿は楽しげで、異世代間の交流は高齢者の生きがいにもつながっているようだ。眞澄さんは「心育ての場、人間のつながりを深める場として、ここをもっとにぎやかな場所にしたい。地区外の方も気軽にお越し下さい」と呼びかけている。
なお、あす19日の「ぶちええ広場」は、「ぶちええほっとサロン」との共催で午前10時半から開催。つるかご作りや赤ちゃんと遊ぼう、かるた取りなどが行われる。
Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)
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