サンデー山口

　山口に存在する〝資源〟を生かしたまちづくりに取り組んでいる「新観光拠点づくりデザイン会議」はこのほど、対象地区である大殿・白石地区の住民に対して、意識調査を行った。住環境や利便性についてはおおむね評価が高く「いつまでも今の家に住み続けたい」と考えている人が、６割を占めている。
　新観光拠点づくりデザイン会議は、山口商工会議所が音頭を取り、市内の各種団体や自治会と話し合いを進めている組織。自然環境、歴史、祭り・イベント、伝統・文化等、地元に根付いた〝資源”を生かして、地域経済が発展するようなまちづくり計画の策定に取り組んでいる。対象地区は大殿及び白石地区一帯で、５月までに素案を作り上げる予定だ。
　アンケートは、対象地区の全世帯に対し２月に実施。２５６７枚を配布し、４３８件の回答が寄せられた（回収率17・１％）。内訳は、女性が48・６％で男性が43・８％（無回答が７・５％）。高齢になるほど回答者が多く、70歳以上が38・１％、60歳代が21・２％、50歳代が18・２％、40歳代が10・７％、30歳代が８・４％、20歳代以下が２・１％だった。職業は「無職」が最も多く34・０％で「勤め人（常勤）」が22・１％。以下「専業主婦・専業主夫」21・０％「自営業（農業、商工業、サービス業等）」11・４％「パート・アルバイト」５・３％「自由業（医師、弁護士、芸術家等）」２・３％「その他」３・８％で「学生」はゼロだった。また、居住地区における回答数は、天花51件▽東白石41件▽八幡馬場38件▽木町35件▽西白石34件▽東滝27件▽上後河原25件▽中後河原24件▽上竪小路22件▽下竪上21件▽下竪中下21件▽大殿大路20件▽下後河原18件▽中河原17件▽新馬場15件▽野田14件▽久保小路８件▽銭湯小路５件となっている。
住環境
　まず、住環境について聞いたところ、「緑や自然が豊かである」という問いに対して「そう思う」と答えた人が57・５％、「まあそう思う」が29・７％だった。同様に「自然と親しめる場所がある」は、それぞれ47・０％、33・３％。「大気汚染が少なく、空気がきれい」（46・６％、35・４％）「騒音が少なく、静かである」（43・２％、28・８％）。「街の景観が良い」（29・０％、32・４％）「公園の草木、街路樹が手入れされている」（27・６％、34・２％）等、全ての設問で〝思う”派が６割以上を占めた。
利便性
　利便性について最も評価の高かったのは「病院や学校など公共施設が近くにあり便利である」で、それぞれ41・８％、37・９％。次が「普段の買い物が便利である」の26・７％、34・０％だった。「自転車や徒歩でも安心して通れる道がある」（20・８％、31・７％）「市内・市外への移動が便利である」（18・０％、34・２％）も〝思う”派が過半数を占めた。だが逆に「地域の商業（産業）に元気がある」は、「思わない」が17・４％で「あまり思わない」が35・８％、「気軽に利用出来る交通手段が整っている」はそれぞれ16・４％、19・４％と〝思わない”派が〝思う”派を上回った。
　また、今の家に「いつまでも住み続けたい」と〝思う”人は60・７％で、「今の住まいに不自由はない」と〝思う”人も62・３％に上っている。
住みたいまち
　住みたいまちのイメージ（複数回答）については「治安が良く、安心して暮らせるまち」が２４５件でトップ。続いて「医療や福祉、教育サービスが充実」（１３４件）「身近に自然を感じる」（１２９件）「人の魅力や文化性が高い」（１１５件）などが多かった。逆に「お店や娯楽施設が豊富」（15件）「交流やコミュニティ活動が盛ん」（35件）「個性を尊重、地域に縛られない」（36件）「夜が静かで、家族の団らんを楽しめる」（39件）などは少数意見だ。
　そして、新観光拠点づくりデザイン会議の活動趣旨には「賛同する」人が34・７％で「基本的に賛同するがよく検討すべき」が54・３％だった。同組織では、これら住民の意向を踏まえ、今後の話し合いを進めていくという。