2005年05月11日
ひそかな人気!境内での早朝太極拳
「早朝の澄んだ空気はとても気持ちいいの」--。毎週火・木・土曜日の朝6時半になると、本町の長寿寺境内にどこからともなく人々が集まってくる。NPO法人「まちづくり荒高」の高齢者活躍部会が、健康づくりを目的に3年前から行っている“長寿寺早朝太極拳”に参加するためだ。いつの間にか口コミで広がり、今では町内だけでなく、陶や宮野といった遠方からわざわざ足を運ぶ人が増えるなど、ひそかな人気を呼んでいる。
早朝太極拳の一番の魅力は、誰でも自由に参加できること。普通の広場ではなく、早朝に“境内”という神聖な場所で行っているのも人気の一つだ。参加者は「雰囲気がすてき」「朝日が昇る中、鳥のさえずりを聞ききれいな空気を吸っていると、心も体も元気になる」と声をそろえる。
ここで太極拳が始まったのは3年前。荒高のまちづくりを考える、NPO法人「まちづくり荒高」の前身・「本町西地区のまちづくりを考える会」が、地区にある全74世帯のうち、半数以上の約40世帯に65歳以上の高齢者がいるという現状から「高齢者の健康づくりのために何かしよう」と提案。偶然、高齢者活躍部会の北村寿之会長(71)の妻・克子さん(67)が、全日本太極拳協会の会員であったことから、日中両国で広く親しまれている簡化24式太極拳をすることになった。
毎週火・木曜日は、朝6時半からきっかり7時まで、土曜日は30分延長して動作の説明なども行っている。毎回、北村夫妻の指導のもと、まずは入念に準備体操を実施。高齢者が多いため、けががないように指の先からつま先まで全身の関節をほぐしていく。
次に腹式呼吸を行った後、中国のゆったりとした音楽に合わせていよいよ太極拳に入る。中腰でひざを曲げ、馬にまたがったような「馬歩」という独特の形を維持して行うため、下半身の筋肉が鍛えられ、高齢者の転倒予防に役立つと言われている。
現在、太極拳には町内外から約30人が参加。平均年齢は60歳前後で、中には40分かけて歩いて通っている80歳代のおばあさんもいる。昨年、友人に誘われて始めた久保栄子さん(81)は「最初は難しそうだから無理だと思ったけど、やってみるとゆっくりした動きだし、1日おきにあるので私でも覚えられた。今では、ここで体を動かして友人とおしゃべりするのが元気の源です」とうれしそうに話す。
太極拳の実施期間は、3月中旬から10月下旬まで。雨の日も境内そばの屋根付き駐車場を借りて休まず行っている。北村克子さんは「早起きは三文の得。年をとっても続けられる運動なので高齢者だけでなく、若い人たちも気軽に参加してほしい」と呼びかけている。
まちづくり荒高の中村隆芳代表は「太極拳の参加者が、町おこしのイベントにも積極的に協力してくれるなど、少しずつだが交流の輪が広がり、町の活性化につながっている」と喜んでいる。
Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)
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