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2005年08月21日

札の辻・21

 東京の友人から夏休みの後半を中学生の孫と共に、山形県奥の細道芭蕉コースを訪ねるとの便りがあった。
 奥の細道といえば、いくつかの思い出があるが、以前9月上旬に晩夏から初秋へと雲の動きが変わる頃、最上川下りをしたことがある。
 古口の船着番所から草薙温泉まで、出羽丘陵の峡谷を急流にゆだねる船下りで、月山や羽黒山の山系から伸びる稜線が落ち込み、切り立つ岩肌を見せる河畔には、月見草や川原ナデシコが咲き、川風はすでに秋の涼感を伝えていた。
 最上川は往年の名作ドラマ「おしん」に見るように、流域住民にとって母なる川ではあるが、ときには吹雪に狂奔する激流ともなり、山襞深く民俗史を折り込む歴史川で、芭蕉に斎藤茂吉にみちのくの自然を見つめられてきた。
 同行した山形放送の記者のことばが耳に残る。
 山形県は内陸部と日本海側の庄内地方に大きく分けられるが、最上地方はその中でも特殊な地域で、豪雪、寒冷、多湿であるため他地域との交流がなく、情報の乏しさから明治になってからも文明開化にとり残された。そこで真室川音頭に表現されるように独特の生活様式や習慣を集落ごとに守りつづけ山狹文化を形成しており、他地方との交流は1904(明治37)年に奥羽鉄道が開通されてからである。
 しかし最上川には、サケ、マス、アユ、コイなど川漁が盛んで、特有の食文化も持っているとのことだった。
 元禄の昔、川船頭達が積荷の棒鱈と里芋を鍋で煮たことが山形の芋煮会の元祖だと聞く。(鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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