2005年09月02日
局の対応は? 視聴者の準備は? 地上デジタル放送開始まで1年
来年10月1日の地上デジタル放送の県内一斉スタートまであと1年余り。地元テレビ局では放送開始に向け、スタジオや送信設備などのデジタル化を急ピッチで進めている。一方視聴者も、現行のアナログ放送が終了する2011年7月までに、デジタル対応テレビを買うか専用チューナーを取り付けなければならない。テレビを買い替える際にはくれぐれも注意したい。
これまでアナログ方式で送られていたテレビ電波をデジタル信号に変えて送信する「地上デジタル放送」。人間の視界に近い画面比率16対9のワイド画面で、臨場感たっぷりのハイビジョンを地上波でも楽しめるようになる。音声もCD並みの高音質。また、画面を通してニュースなどの情報がいつでも取り出せるデータ放送、双方向受信による視聴者の番組参加、同時に三つの番組を視聴するといったことも可能に。電波障害によるゴーストや雑音もなくなる。
03年12月に東京、大阪、名古屋の3大都市圏で始まった地上デジタル放送は、順次全国にエリアを拡大中。NHK、KRY、TYS、YABの県内4局も来年10月1日、親局・大平山送信所からの送信を一斉にスタートさせる。放送開始を1年後に控え、各局とも対応に慌ただしい。
TYSテレビ山口は今年4月、地上デジタル放送開始を前に社名ロゴを変更。7月には局舎を改修した。明るく開かれた雰囲気のロビーにはフリードリンクコーナーも設け、積極的に一般来訪者を受け入れている。デジタル化については6年前から進めており、ハイビジョン対応のスタジオを5年前に完成させ、放送データの処理を行うシステムなどは先月3日に更新した。残るは大平山への送信機増設と、取材カメラ、編集機の更新のみ。
一方、すでにハイビジョン対応のカメラで取材、編集を行っているYAB山口朝日放送。ただし、スタジオや送出関係機器といった主管部分は未対応で、年末から来春にかけて大がかりな更新を行う。
KRY山口放送は、今年1月に本社敷地内へデジタル放送センターを増築するなど、スタジオ設備以外の対応を完了。新会館に移転したNHK山口放送局も、主だった部分のデジタル化を終えた。局によって進捗度は異なるものの、いずれも放送開始には十分間に合うスケジュールだ。
県内4局と県、総務省で構成する山口地上デジタル放送推進協議会では、4局から選出した女子アナで「デジタル大使」を結成し、カウントダウンを始める来月1日から大々的なPRを行う予定。共通CMなどで、デジタル放送開始とアナログ放送終了を広報していく。
なお、山口ケーブルビジョンも、地上デジタル放送スタートまでに対応を済ませることにしており、これまでと変わりなく視聴できるという。
アナログ放送は終了
現在私たちが視聴しているアナログ放送は11年7月で終了し、デジタル放送に完全移行する。そして、従来のテレビはアナログ対応のため、そのままの状態ではデジタル放送を見られない。来年10月から終了までの約5年間は、同一内容をアナログ放送とデジタル放送の両方で放送する措置がとられるので、その間に準備が必要だ。
デジタル放送を見るには、対応テレビに買い替えるか、今のテレビにデジタルチューナーを取り付けなければならない。アンテナについては、現在使用中のUHFアンテナで基本的に受信できるが、デジタル放送の帯域(13~52 ch)に対応していない場合はアンテナの交換が必要。価格は現在のところ、デジタルチューナーで6万円前後、対応テレビは30型で平均約30万円。アンテナは1万円程度だが、設置費などが別途必要となる。
Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)
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