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2005年12月25日

札の辻・21

 詩人草野心平の生誕101年を記念し、戦中戦後から最晩年に至るまで45年間にわたり書き続けられた未公開の日記・手帖114冊が、詩人の没後16年になる今年の4月に、「草野心平日記」として思潮社から出版されるようになり、その第6巻が届いた。
 第6巻には「その死の前後の回想」という高村光太郎と中原中也へ寄せた詩がある。

  中原中也

 もうおたがい。
 深酒は止そうや。
 と。
 中也は言った。

 ここのウチ。
 Qには教えないで。
 とも。
 中也は言った。

 額の上には。
 ガーセで包んだ豆腐が
 のっかってる。

 帰ろうと握った中原の
 掌はその時。
 熱かったか。
 冷たかったか。

 それは忘れた。

-1980・10・11夜。回想詩を考え眠れない。池袋のママの呉れたワインが見つかりナイフで栓をあけて。のむ。
 また中也については「彼は自嘲や絶望で灰色であっても。そのどれの底にも『少年』が脈打っているのだ。しかも『少年』が常に彼の思考の底で夕焼小焼を唄っているのだ」とこれは既刊の草野心平全集第11巻の随想にある。
 梅干と生わさびをこねまわしたものは。ウイスキーにも日本酒にもよく合う「心平酒菜のうた」より。
         (鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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