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2006年01月22日

札の辻・21

 わが家に琉球焼のシーサー1対がある。丈32㌢横幅16㌢で頑丈につくられた素焼だ。
 このシーサーは以前A新聞の山口支局長をしていたB氏が、家の新築祝いに贈ってくれたのだが、かれこれ20年もたつ。
 B氏が沖縄支局長のとき知遇を得た琉球焼作家の島常賀氏に特注したもので、塗りをほどこしたより素焼はシーサー自体に素朴な魅力が生まれると言ったが、全くその通りだ。沖縄みやげに売られている彩色の陶製ものとは異なり、赤味を帯びた土の地肌が製作者の腕の動きをそのまま伝えるように、胸部は力強く盛り上がりを見せ、足の踏ん張りもたくましい。
 阿・吽の表現通りに、雄は大きく口を開け雌は口をつぐむが、犬歯2本がのぞいている。
 この2頭が到来したとき各々の顔が誰かに似ていると思った。まじめくさった表情をいささかも変えず、一見こわそうであるが見続けていると、どこか愛嬌がありオイと呼びかけたくなるユーモアさえ感じる。
 そのとき思い当たったのは、失礼だが雄の顔は花沢徳衛、雌のそれは藤原釜足と、黒沢作品をはじめ往年の映画に出演した名優の両氏であった。以来親しみをこめて阿・吽に対峙している。
 沖縄のシーサーは4、5世紀の頃に中国から渡来した魔除けの風習で、古くから首里城の門や社寺にあったものが、次第に民家にも置かれて沖縄の原風景となった。だがあの大戦では非情な砲火も浴びたことであろう。
 昨年の正月3カ日は沖縄で過ごしたが、ことしはわがシーサー君へ壷屋焼のぐい呑みで泡盛を献じ新春を祝った。 (鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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