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2006年01月29日

札の辻・21

 瀬戸内海の備讃瀬戸に浮かぶ小さな島が、島の歴史の匂いをよみがえらせ、新しい時流が体感できる世界的なアートの島に変わったというので出かけた。島は岡山県に近い香川県・香川郡の直島である。ここは戦国時代には水軍の基地となり江戸時代からはタイ網漁でゆたかに暮らしてきたが、その面影の残る築200年前後の古い家並みを、地元の大工さんなどの協力で改修保存したり、さらには有名建築家によって近代的美術館を島の一角に完成させた。
 その美術館は「地中美術館」と呼ばれているが、名の示す通り建物の大半は地中にあり、建築家の安藤忠雄設計によるもので、島の風景を損なわぬよう敢て外観のない建物とし、館の存在する丘陵は瀬戸内の四季の自然がそのまま生かされており、美術館へ至る坂道にはヤブツバキが咲いていた。
 地中美術館で中心的な目玉は、印象派を代表する画家クロード・モネの大作「睡蓮」の実画である。展示されている油彩5点は、モネが70歳を過ぎてから描きはじめ、亡くなる86歳まで描きつづけたものだ。
 モネの作品のほかにはウオルター・デ・マリアやジェームズ・タレルなど光と空間をアートした秀作もあるが、総体的に印象に残るのは安藤忠雄の館内デザインである。ほとんど自然光だけで採光され、コンクリートのスリットからこぼれる光は神秘的で精神的な深みを感じさせる。細い通路、長いアプローチは歩むことの意味をたしかに教えてくれた。
 ふたたび島の家並みにもどり、歴史をふり返り未来を創造するすばらしさを識る。    (鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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