アクセスカウンタ
QRコード
QRCODE
読者登録
メールアドレスを入力して登録する事で、このブログの新着エントリーをメールでお届けいたします。解除は→こちら
現在の読者数 70人

店長情報 トップページ
店長情報

2006年02月12日

札の辻・21

 映画「男たちの大和」を観る。
 ひとりの女性(鈴木京香)が、元戦艦大和乗組員で生き残った老漁師(仲代達矢)の小型漁船で、鹿児島県枕崎港を出航し、北緯30度43分、東経128度の大和沈没現場へと向かう激浪の海から映画は展開する。
 満載排水量7万2千㌧・全長263㍍・速力27で世界最大の超弩級戦艦大和を私の眼で最初に見たのは、太平洋戦争の開戦後間もない昭和17年早春の徳山湾だった。同年初冬には姉妹艦の大型戦艦武蔵も徳山湾に姿を見せるが、どちらも徳山海軍燃料廠での給油のためで、両艦とも乗組員は入湯上陸(一泊)許可となり、徳山の町筋には軍艦旗がはためいて賑わった。当時旧制中学の2年生だったわが胸には、海軍への憧れがこぼされたインクのようにひろがっていった。
 映画はさらに昭和20年4月6日、徳山沖に集結し豊後水道を南下する連合艦隊の旗艦大和の特攻訓練を壮烈に描く。
 ガンルーム(士官次室)に集合した青年士官たちが、苛酷な運命を背負わされた大和の最後をめぐって、祖国日本の明日を想い激論を交わすシーンには悲壮感が漲る。
 そして執拗に襲いかかる米軍機に、血みどろで機銃座を死守する対空戦闘員の姿に、戦争の悲惨さが胸を打ち沈没後の海に空しい悔恨が漂う。
 61年前、やはり私も最後の海軍に居た。暗号要員として通信分遺隊司令から、沖縄戦玉砕、ソ連参戦を知らされ遂に8・15炎天下に詔勅を聞く真ひる間の空間を迎えた。
 今も忘れ得ぬ、わが軍籍番号「呉志水第九○○八六」を。     
         (鱧)


同じカテゴリー(札の辻)の記事画像
札の辻・21
同じカテゴリー(札の辻)の記事
 札の辻・21 (2016-07-30 00:00)
 札の辻・21 (2016-07-23 00:00)
 札の辻・21 (2016-07-16 00:00)
 札の辻・21 (2016-07-09 00:00)
 札の辻・21 (2016-07-02 00:00)
 札の辻・21 (2016-06-25 00:00)
Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。