2006年05月21日
山口大神宮の社務所再建 瓦に名前を刻みませんか?
“1枚2千円”の寄付を呼びかけ
社務所再建を目指す山口大神宮(滝町、松田良治宮司)と同神社境内整備奉賛会が今月、寄付を募る一つの手立てとして独自の活動を始めた。それは、1枚2千円の屋根瓦の寄進。名前などを記入してもらった瓦は、そのまま新社務所の屋根に使用するという。
「西のお伊勢さま」として知られる同神宮は、1520(永正17)年に大内義興が伊勢神宮の分霊を受けて創建した崇敬神社。伊勢神宮と同様に天照大神を祭る内宮と豊受大神を祭る外宮があり、境内には、延寿・安産の神といわれる多賀神社や、農産物の守護・商売繁盛・三難消除の神として信仰を集める高嶺稲荷神社も奉られている。明治になるまでは、伊勢の神霊を迎えた神社は山口大神宮しかなく、「西の御伊勢参り」と称して九州などからも多くの人々が参拝。今も初詣シーズンには県内有数の人出となる。
大型連休を前に先月取り壊された社務所の築年数は約95年。91年の台風19号で老朽化していた建物の傷みがさらに激しくなった上、近年はシロアリ被害まで深刻になり、安全面からも早期の建て替えが望まれていた。しかし、20年ごとに内宮の社殿を造り替える式年遷宮が00年にあたったため、一度に多額の奉賛は募れないと再建を見送ってきた経緯がある。
そして、いよいよ建物の限界が近づいた05年8月、総代や崇敬会らは同奉賛会を発足。06年11月中の完成を目指し、建て替え費用5千万円を目標に奉賛募金を始めた。氏子を持たない崇敬神社であるがゆえに、寄付集めには大きな苦労を伴うが、何とかこれまでに目標額の7割にあたる約3500万円を確保。そして社務所の解体や設計も終わり、建築業者を決める段階までこぎつけた今月からは、引き続き寄付を呼びかけるとともに、1枚2千円の瓦の寄進を受け付けることにした。
社務所の屋根に使用する瓦は全部で4千枚。参詣者に声をかけては協力を願い、現在200枚の瓦に名前が刻まれた。「皆さんの志が屋根となり社務所となって奉納されます。新社務所は参詣者の休憩スペースもある、使い勝手の良いものになりますので、どうかご協力を」と崇敬会副会長の吉田勝さん。
なお、瓦の寄進の受け付けは6月末まで。問い合わせ先は同神社(TEL083-922-0718)。
Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)
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