2006年08月06日
山口県警、各警察署が 交通講習への参加を呼びかけ
県内で高齢者の交通事故犠牲者が増加 7月末で全体の50%以上を占める
ここ10年間で交通事故による死者数は、全国、県内ともに大幅に減少したが、65歳以上の高齢者に限るとあまり変化がなく、全体に対する構成率は少しずつ上昇している。特に県内では、今年に入って高齢者が巻き込まれる死亡事故発生ペースが上がっており、7月末の時点で51・7%と深刻な状況。県警と各警察署は、事態の打開にむけ高齢者の交通安全対策を強化中だ。
県内の交通事故の死者数は、今年の7月末時点で56人。この内29人が高齢者で、05年同時期と比較すると6人も増加している。山口署、小郡署管轄内の死者数は6人で、この内の4人が高齢者だ。また、全年齢層に対する構成率の推移をみると、96年から02年までの平均数値35・1%(40%を超えたのは98年のみ)に対して、03年から05年までの3年間の平均数値は44・7%と大きく上昇。全国統計でも同様な状況が見られ、02年までは同34・7%、03年以降は41・2%と上昇した。県内の数値は全国を上回っており、今年は7月末の時点で51・7%と事態はさらに悪化している。
飲酒運転の厳罰化、ドライバーへの安全指導を徹底し続けた効果や、エアバッグや衝撃吸収ボディーの普及による自動車の安全性向上で、全体の死者数はここ10年で大幅に減少した。しかし、歩行者と自転車運転者の死者数が50%以上にのぼる高齢者の状況はあまり変わっていない。
高齢者が事故に巻き込まれるケースには、横断歩道外の道路横断や飛び出し、信号無視など、被害者本人が原因の場合もある。県警では、高齢者の交通安全への意識をさらに高めることを重要課題にあげ、体験講習の実施を中心とした事故防止への取り組みを行っている。
県警交通企画課(TEL083-933-0110)では「まずは、さまざまな体験講習があることを高齢者に知ってもらうことが重要。運転免許の有無に関係なく、できるだけ多くの人に参加して欲しい」と呼びかけている。
高齢者への交通講習
現在、県警、各警察署が実施している高齢者への交通安全講習・対策は次の通り。
重大交通事故発生現場で具体的な指導を行う「現場講習会」▽夜間の体験型交通安全教室「セーフティ・ナイト・スクール」▽電動カー講習▽街頭での声かけ、保護誘導、反射材の直接張り付け▽交通安全サポーターやボランティアの戸別訪問指導▽高齢者運転教習▽シニアいきいき診断教室
いずれも県内をまわる形で開催期日・場所を設定しているが、講習によっては相談に応じての開催も可能で、要請があれば出張にも対応できるものもある。このほか、小郡下郷の県総合交通センター(?973-2900)では、運転適性検査(有料)を随時受け付けている。
Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)
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