サンデー山口

　昨年、結成からわずか１００日余りでＮＨＫ全国学校音楽コンクール中国ブロック大会への出場を果たした良城小学校合唱団（約80人）が、９日に広島県廿日市市で開催された同大会で見事第１位の金賞に輝いた。全国大会への切符を手に、喜びに満ちあふれる団員たちは、10月の大舞台に向け練習にも一層熱が入る。

　９日夜、同合唱団を乗せたバスが小学校に到着するや否や「パン！　パーン！」とクラッカーの音がにぎやかに鳴り響いた。休日にもかかわらず、子どもたちをねぎらおうと待ち構えていた教員らの粋な出迎え。結成２年目と経験の浅い合唱団が、昨年に続き２回目の出場となる大会で、見事中国ブロック代表の座を勝ち取ったのだ。「子どもらしい、明るく伸びやかな歌声」と評されるとおり、奨励賞を受けた昨年よりもさらにのびのびと、元気いっぱいのハーモニーを披露した。金賞の発表を聞いた瞬間、子どもたちは“信じられない”という驚きと同時に、大きな喜びの歓声をあげた。指導者の竹田礼子教諭と伴奏の楫間知子教諭は「出番が最後だっただけに、大好きな歌を早く聞いてもらいたいという気持ちが全面に出ていた。まさか中国一になるとは思いもしなかったが、大会での感動が一人ひとりの自信につながり、練習もさらに良い雰囲気になっている」と近況を語る。
　今年のコンクール課題曲は「出会う」をテーマにつくられた、工藤直子作詞、木下牧子作曲の「まいにち『おはつ』」。自由曲に選んだ「二億年ずつ23回」とともに春から練習に取り組んできた。昨年誕生したばかりで初心者も多いが、歌うことが何より大好きな団員たちは自主性が強く、とても前向き。この２曲は、そんな子どもたちにぴったりの曲目でもあった。校舎に響き渡る楽しそうな歌声に、他の児童も口ずさむなじみの曲になっているという。
　合唱団の快挙に校内はすっかり応援ムード。「“来年は全国”と言っていた子どもたちの言葉が現実になった。初の全国大会、気負わずしっかりと力を出し切って欲しい」と頼もしげに話す藤野正雄校長。全国大会は10月８日、東京都渋谷区のＮＨＫホールで行われる。なお、30日午後１時からは教育テレビで、９日の中国ブロック大会の模様が放送される。