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2006年09月24日

札の辻・21

 ツクツクボウシの声が細くなり、マンジュシャゲは朱色のじゅうたんをひろげ敬老の日も過ぎた。
 敬老の日といえば身近にその年齢と健康に敬服する人がいる。
 山口ロータリークラブの会員で、毎週の例会に笑顔の明るい鋳銭司の松永祥甫さん95歳だ。
 齢を感じさせない活発な話しぶり、まだ広大な屋敷周辺の雑草刈りや畑仕事、酒席での漢詩の吟咏や筆をとれば力強い筆致が見事である。
 私は松永さんに椰子の木を連想する。
 椰子は熱帯地方が原産で、幹は20㍍から30㍍に達する高木、根もとは太く幹全体に葉痕があり芯が強く強風に耐える。幹の頂きから20以上の葉をひろげ、毎月1枚ぐらいの割合いで新しい芽を出し壮大な花穂をつける。
 花穂は数個の実を結ぶが長さ30㌢ほどの半球形だ。実にはメロンに似た芳香の液体があり良質の飲料となる。果肉はジャムの原料や果実酒にも醸造され、皮は細工物に利用されるなど用途はひろい。
 松永さんには椰子の木に見る重ねられた強靭な年輪を感じる。
 それは、教育界、県政、社会福祉行政と椰子の木と同じように風雨にめげぬ人生の結実があるからだ。
 太平洋戦争時代、松永さんは旧海軍の司政官としてボルネオに駐留されていた。椰子の葉陰に南十字星を見られたはずである。
 日本では沖縄と八丈島に椰子が自生し、人間詩人草野心平に詩がある。

 椰子の木がいっぽん
 てのひらをひろげて
 青空をさすっている。   (鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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