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2006年11月12日

札の辻・21

 今日から大相撲は九州場所である。
 いつもだが西日本スポーツセンターで、博多湾から吹き抜けてくる潮風にはためく力士幟には、1年しめくくりの場所を感じ近づいてくる年の瀬を想う。以前は雪もちらついた年がある。
 今場所の番付をみると「朝青龍を倒すのは誰か」というほど強い横綱と、その横綱をめざしての再挑戦に期待のかかる白鵬が足を痛めたのが気にかかるところだ。モンゴル出身力士は全体で約30名、そのうち8名も幕内力士がいる。
 ウランバートルなどの市街地区以外のモンゴルは大自然と向き合い、露出する土と岩と草の大平原に暮らす民族の国である。大平原は春と夏が短くて冬が長い。草木は大きく育つことがなく、雪と強風と砂塵が襲いかかる。その嵐の中で男は細くとも強靭な四肢で雪原を駆け、強風を切り、岩肌を飛び越えて蒼い狼となる。
 井上靖や司馬遼太郎の見た根強い民族のくらしぶりがモンゴル力士に重なり、さらに前頭筆頭にある闘志の固まりのような安馬には戦中・戦後の日本人力士を思い出す。それは肥州山、松浦潟、鬼龍川、鳴門海、明歩谷で、北海道、東北、四国、九州の風土が匂う力士たちだった。肥満体でなく筋金入りの骨格たくましい強さがあった。現在の幕内では安美錦、豊真将、栃の花あたりがそれに近く激しい力相撲で場所を盛り上げて欲しい。
 また昔は大天龍、青葉山、安芸ノ海、駿河海、桂川といった郷土ゆかりの山・海・川のシコ名で番付表が楽しかった。
 江戸の大関より郷土の三段目である。  (鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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