2006年12月02日
平川地区に大型電器店が集中 対する「町の電器屋さん」
今月1日にデオデオ山口本店が吉敷から平井に移転オープンし、平川地区に敷地面積が千坪を超える大型家電量販店が集中。激しい販売競争を繰り広げることになった。その一方で、何十年と市内で電器店を営み続ける「町の電器屋さん」もいる。現状を探った。
デオデオ山口本店の移転・増床により、広い販売面積に豊富な品ぞろえ、加えて広大な駐車スペースを持つ大型電器店が、ベスト電器、ヤマダ電機を加えた3店も、平川地区に立地することになった。大きな建物を建設するのに十分な土地がある、市中心部と小郡との間で商圏人口が多い、整備された大通りに面している、という好条件がその理由だ。
消費者からすると、単に商品を買う時の選択肢が増えただけでなく、各店を巡っての価格比較がしやすくなった。そのため「他店よりも安く」を掲げる各社による価格競争も、これまで以上に激化すると予想される。
黒川にあるヤマダ電機・テックランド山口本店には、これまでも平日で2~300人、休日には約千人が訪れていた。店内客からは「品ぞろえが豊富で、特に買いたい物が無くても見て回るだけで楽しいので、つい来てしまう」という声も聞かれる。佐々木慎一フロア長は「最近では価格だけではなく、保証の充実にも力を入れている。安心価格に加えて、安心長期保証も行っている」と話す。デオデオ、ベスト電器も同様に5年間修理保証に取り組んでおり、サービス面でも競い合っている様子だ。
大型電器店の市内への相次ぐ進出で大きく状況が変わったのは、何十年と営業を続け、地域の人たちから「町の電器屋さん」と呼ばれてきた小規模電器店。ここ10年間での売上は大きく減少している。
「町の電器屋さん」は販売だけでなく、電気工事、設置、修理のすべてを自分たちで行っている。客層は地域の人、昔なじみの人がほとんどだ。大型電器店と大きく違うのは、客が店に来て商品を探すのではなく、ほとんどは先方から電話がかかってきての訪問販売だという点。故障や修理の相談で相手の家へ行き、状況次第で新しく購入することを進めるケースが多い。
今年で51周年を迎えた「アクティヴウエノ」(湯田温泉・上野淳社長)では、最新のデジタル家電を他店で購入したものの、操作方法がわからないといった相談が最近増えて困惑している。「小さいことなら対応できることもあるが、大型店のように出張料は取りたくないので、すべての相談には応じられずにいる。購入後のサポートまで考えて購入先を選んでほしい」と上野社長。
また、35年以上電器店を営む「でんきのイトウ」(金古曽)の伊藤雅彦社長は、大型店への対抗策を「人間関係が最も重要だ。人と人とのつながりこそが一番の武器。定期的に固定客の家を回り、何か不備が無いかなどチェックしている」と話す。
そして、終戦後から3代にわたる「富士電気サービスセンター」(堂の前)の栗田友二社長は「使用方法の説明など、使う人へのアフターケアが大事。わたしたちが売るのは信頼。お客さんの名前と顔は覚えている」と、代々変えることのない信念を見せた。
Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)
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