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店長情報

2007年01月21日

札の辻・21

 ことしの初詣では津和野太鼓谷稲成神社にした。
 天気もおだやかな日で阿東盆地には雪もなく、十種ヶ峰は浅黄色の山肌をよく晴れた冬空にはりつけていた。
 途中国道沿いに「イノシシの肉あり」の旗を出した店があったので帰りに寄ることにする。
 京都では11月に入り北山時雨の季節ともなると、肉屋の店頭にシシ肉の旗がさげられイノシシ料理の時期到来をつげる。
 イノシシは石器時代から狩猟の対象となってきた。しかし東北地方には棲息せず関東以西の九州までに分布している。
 イノシシ料理は焼肉や鍋にするが、一般にはネギ、ゴボウ、ダイコン、ニンジン、セリ、コンニャクなどとミソ仕立てにした鍋が多い。よくイノシシの肉は臭いといわれるが、それは解体のとき内臓処理が適切でなかった肉のことで、臭味はまったくない。
 東京では江戸の昔から「ももんじ屋」と呼ぶ店でイノシシだけでなく、シカ、野ウサギも料理した。両国橋近くには「ももんじ屋」が現在も健在で、イノシシを「ぼたん鍋」シカは「もみじ鍋」とするが、これは「牡丹に唐獅子」と「紅葉踏みわけ鳴く鹿」の俚言からの呼称である。
 初詣で客で賑わう稲成神社境内から見おろす津和野の町は、冬陽をうけた甍の波だった。
 帰途に買ったイノシシ肉は早速鍋にした。亥年に鍋では「シシ食ったむくい」という言葉もあるが、食通の本山荻舟氏の「シシ食った温い」の方言が転化したという論を信じ、セリの香も匂い立つ鍋に箸は猪突猛進した。       (鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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