2007年02月11日
民家を改修したデイサービス施設 4月、「河村邸」オープン
地域住民の交流拠点にも
4月1日、市中心部に民家を改修したデイサービス施設「河村邸」がオープンする。これまで訪問介護を中心に行ってきた福祉生活協同組合さんコープが、新たに食事や入浴、リハビリといった在宅福祉サービス事業を展開。庭に囲まれた昔ながらの家で、“のんびり、ゆったりと、利用者一人ひとりが主人公になれるデイサービス”を目指す。
現在、旧ピッチで改修工事が進められている本町の「河村邸」は、築80年の純日本家屋。敷地面積は1320平方㍍、木造平屋建ての建物は約200平方㍍で、8畳および6畳の和室計4部屋と食堂からなる。この辺りでは最も大きな民家で、庭にはマツやスイリュウヒバなど多くの植木があり、そばには一の坂川も流れている。中心商店街まで歩いて5分という好立地で、当初家主の河村さんが別荘として使っていたが、その後は、賃貸物件として貸し出しており、当社の社長も住んでいたことがある。しかし、ここ10年間は空屋の状態で、地元自治会や商店街が利用方法を検討していた。
昨年夏、民家改修でデイサービス事業を始めるために物件を探していたさんコープが、「総合・循環型福祉サービス推進モデル事業」として取り組むことで、県・市から改修費用に660万円の助成が得られることになり、河村邸を使った事業が具体化。単なるデイサービス施設ではなく、地域住民の交流の場を設けるほか、住民ボランティアによる家屋や庭の維持管理といった施設運営の仕組み作りを進めていくことになった。
1月4日から行われている改修工事で、これまで建物の耐震補強が完了したほか、庭の一部に10台分の駐車スペースを確保。現在は、北側にあった玄関を南に移し、車いすでも利用できるようスロープを取り付けている。今後は、トイレの増設をはじめ、食堂に床暖房を完備、五右衛門風呂も手すりなどを備えた介護用バスに改修する。3月10日をめどに建物を完成させ、4月のオープンまでに庭の整備を行っていく予定だ。
河村邸では、介護保険法に基づき、昼間の数時間、食事や入浴といった介護やリハビリ・レクリエーションなどのサービスを展開。コープ商品を主に利用し、食材にこだわった昼食を提供するという。さんコープの中村智事務局長は「自分の家の延長線上ともいえる空間で、庭の散歩や囲碁、将棋、料理や編み物など一人ひとりのやりたいことができる、生活に密着したデイサービスを目指していきたい。また、中心市街地活性化の一翼も担えれば」と話す。
対象は65歳以上で介護保険の認定を受けた人。1日定員10人。現在、施設見学や体験利用希望者の受け付けを行っている。
Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)
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