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2007年03月18日

札の辻・21

 指宿市の開聞岳山麓で1月に行う菜の花マラソンを皮切りに、梅、水仙など花前線のリズムが今年はいそぎ足だった。
 もちろんサクラの開花も早く、すでに北四国や伊豆地方からもサクラ便りが届く。サクラといえば西行の歌を想う。

 願はくば花の下にて
 春死なむそのきさら
 ぎの望月のころ

 西行は俗名佐藤義清、藤原一門で文武両道にすぐれ鳥羽上皇に仕える北面の若武者であったが、23歳のとき突如として武士を捨て出家した。一説には人妻との恋を清算するためともいわれている。仏門に入り西行法師になると、陸奥から四国、筑紫まで仏道と歌の修業にはげみながら遍歴・行脚をつづけ、生涯、人間と自然を愛した旅の詩人として、後の芭蕉、若山牧水、種田山頭火に通じるものがある。
 そして西行は花の下にて死なむとの願い通りに1190(建久元)年2月16日に死去した。
 西行忌きさらぎの16日は旧暦であり現行暦に直すと今年は4月3日にあたりしかも望月(満月)である。サクラ前線も関東に到達の頃で、まさに弓状列島はピンク色に染まるが、サクラだけでなく西行には新古今和歌集に次の歌もあった。

 ふるはたのそばの立
 つ木にいる鳩の友よ
 ぶ声のすごき夕暮

 ふるはたとは荒れはてた畑のことで、荒涼たるたそがれの実景が浮かび旅人の孤独感が漂う。
 この歌は平安末期のものだが、現代の日本の山村風景にも合うような気もする。
         (鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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