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2007年05月13日

札の辻・21

-君がため春の野に出でて若菜摘む-と、古歌にも詠まれたように、5月は萌え立つ野づらに陽光が降り注ぐ山野草の時期到来で、ツワブキ、ウド、ノビル、イタドリなど主役たちの生命力の躍動が伝わってくる。
 ところで野草のうちでも身近な草むらや道端に伸びているスイバの料理があることを知った。
 田舎育ちだから子供の頃に川釣りをしながら、スイバを採って食べた記憶はあるが、農文協編「聞き書きふるさとの家庭料理」に島根県津和野町の「スイバ汁」があった。そこで山口駅通りの料理店「若山」の主人が津和野出身だったと思い出し、聞いたところよく作って食べたとのこと。 早速わが家近くの川土手でスイバを摘み店に持参する。「なつかしいなー」とスイバの若い芽茎をかじりながら主人は包丁を手にした。
 ブリのアラと豆腐をミソ汁仕立てにし、熱くなったところへ手早くスイバを入れ、葉の青みが残っている程度で食べる。 ブリのアラにスイバの酸味が溶け合い、ミソの香りが調和して野草の風味がひき立つ。
 スイバでもう一品できた。ゴマ和えである。歯ざわりはホーレン草と全く同じで、熱湯をくぐらせ酸味がほどよく抑えられておりビールによく合った。津和野盆地は海に遠く、昔からイモ煮やスイバ汁などには魚の頭から骨まで料理に工夫されたものだと主人。
 山と海を結ぶふるさとの味である。   (鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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