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2007年06月10日

札の辻・21

 カンヌ国際映画祭で日本から参加した河瀬直美監督の作品「殯の森」が、最高賞に次いで第2席のグランプリを受賞した。内容は介護施設につとめる女性と、妻と死別した認知症の老人が深い森に迷い込むという情景で、監督自身も認知症の養母と3歳の長男を抱えての制作だった。
 それにしても「殯の森」とは難しいタイトルである。
 国語大辞典によると殯とは貴人の葬儀の準備などが整うまで、遺体を棺におさめてしばらく安置しておくことで、漢籍では埋殯または柩殯の字を当てるとある。
 映画は奈良市郊外の森を舞台にしており、6月下旬から東京を皮切りに7月大阪と順次に各地で公開され、フランス国内でもこの秋には上映されるという。
 受賞会見で河瀬監督が「日本人が誇りにしたい思いをこめて作った映画で世界に発信できた」と話した言葉に期待したい。ところで、北原白秋の詩集「邪宗門」の中にももがりの出てくる詩があった。

  懶き島
―たゆたき砂もわが悩み ものうければぞ、   信天翁もそろもそろの 吐息して
 ひねもすうたふ挽歌
 きくもものうし―

である。
 俳句の季語では冬のきびしい北風が竹垣に吹き当たって発する音を虎落笛と書く。絶滅に近い難解語のひとつだ。 (鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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