2007年08月24日
県美術展覧会スタート 大賞に吉村芳生さん
第61回「山口県美術展覧会」が、県立美術館(TEL083-925-7788)で始まった。同展覧会は、18日から同館を核として行われている第1回県総合芸術文化祭総合フェスティバル美術館特別企画「ミュージアム・タウン・ヤマグチ2007」(HEART2007)のメーンイベントでもある。382点の応募作品の中から、大賞には市内の画家・吉村芳生さん(徳地、57)の「徳地に住んで見えてくるもの(色鉛筆で描く…)」が選ばれた。そのほか市内からは、上野ユリオさん(58)、山科君代さん(74)、山根秀信さん(47)ら3人が優秀賞に輝いた。会期は9月9日まで。
応募総数は382点(昨年比57点増)。会場には、洋画、木彫、焼き物、空間芸術作品など、入賞作品30点(大賞1点、優秀賞5点、佳作24点)と入選作品95点の、バラエティー豊かな計125点の作品が展示されている。
1974年から17回にわたり出品し、初めて大賞に輝いた吉村さんは、最優秀賞2回、優秀賞3回を受賞した実力者。受賞作品となった「徳地に住んで見えてくるもの(色鉛筆で描く…)」は、100号サイズ(162×112センチ)を3点つなぎ合わせた大画面いっぱいに、自身が住む徳地に咲くコスモスを鮮やかに描いたものだ。審査員の福永治さんは「気の遠くなるような細密描写でありながら、遠目から見たときの意外性、写真を思わせる画面が魅力の一つになっている」と評価している。吉村さんは「今まで描いたコスモスの絵の中で、花数も大きさも一番。いい作品をたくさん残し、自分自身も徳地で“花も実も付けたい”という思いがこの作品を描かせた」と話した。
上野ユリオさんは、写真を使った作品「個人情報保護法」で優秀賞に。証明写真の顔の部分だけを切り取りとって並べることで、個人情報保護が叫ばれている現代に、何かを訴えかけるような作品になっている。
同じく、8年連続で県美展に入賞している山科さんは、「みのり2」で昨年に引き続き2回目の優秀賞を受賞。昨年はマスカットを題材にしたが、今年は130×16センチの画面いっぱいに、みずみずしいサクランボを描いた。一つひとつが色鮮やかに表現され、果実が持つ独特なつやまでもが描き出されている。
また、優秀賞を受賞した山根秀信さんは、過去に大賞1回、優秀賞4回受賞の経験を持つ。今回の「静物(レジ袋)」は、46×38センチの作品12点を組み合わせたもの。一つひとつにさまざまな構図でレジ袋が描かれ、全体的にバランスのとれた作品となっている。
山口市から佳作・入選に選ばれたのは次のみなさん。
【佳作】井岡義朋▽池内麻依子▽うえのけいこ【入選】石原隆▽伊藤和恵▽今井祥博▽うえのけいこ▽岡村邦彦▽菅野喜七▽木原亜紀▽佐々木研己▽高杉紀美子▽武永和茂▽千葉喜彦▽橋口仁▽林康雄▽深田佳心▽藤重侑子▽保手濱拓▽山科君代(敬称略)
なお、入場料は一般250円、大学生200円。70歳以上と18歳以下および高校生、盲・ろう・養護学校生は無料。
Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)
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