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2007年10月06日

札の辻・21

 先夜、瑠璃光寺から毛利家墓所までの香山公園で行われた「山口ゆらめき回廊」で、残暑のきびしさを忘れ秋立つ夜風にひとときを過ごした。
 まずライトアップされた五重塔をとりまくカメラの人垣を分けて塔へと近づく。
 超高層ビルの耐震構造を先取りした日本独自の仏塔建築は、夜空へ鋭角に切れ込む5層の軒天井の力強い構図を見せながら、室町期のぬばたまの夜が再現されたような気分にさせる。
 「長州はいい塔をもっている」のことばを刻んだ塔近くの司馬遼太郎文学碑をあとに、瑠璃光寺の山門を経て毛利家墓所へと「和ろうそく」に照らされた道をゆく人たちのあとにつづく。
 高杉晋作が俗論派に押し切られて謹慎中だった萩を脱走し、湯田の袖解橋近くで遭難した井上聞多を見舞うために山口の町へ入ったのは1864(元治1)年の初秋だったことなど、枕流亭の横を過ぎながら思い出したりした。
 毛利家墓所前の石畳に立ったとき、頭上から松の梢をわたる風の音が聞こえてきた。松籟である。このあたり一帯にはアカマツの大樹が多い。
 600年前に京風の街づくりを起こした大内弘世以来、世界的大革新といわれている明治維新後に県都山口の現在ができ上がるまで、山口のたどって来た歴史の道のりは長くて遠い。
 光の回廊を歩む人々の足音にまた新しい歴史が重ねられてゆく。    (鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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