2007年10月20日
大相撲山口場所(28日)を前に 元力士・中嶋さんに聞く
最近何かと世間をにぎわしている相撲界。山口市では、2000年10月以来7年ぶりとなる地方巡業「大相撲山口場所」が来週に迫っている。そこで、山口市民があまり目にすることがない相撲部屋での様子を紹介してもらおうと、阿知須総合支所に勤める元力士・中嶋清さん(しこ名・秋津島)(56)に、現役時代の話を聞いてみた。
●相撲部屋に入ったきっかけは?
中学では相撲部に所属していたんですが、ある時大会で僕を見た地域の相撲好きの人が相撲部屋に連絡。スカウトという形で出羽海部屋に入門しました。
●同じ部屋の力士は?
最近なら舞の海が有名。現役では、普天王(幕内)が活躍しています。自分が現役だったころは、大鵬と柏戸の全盛期。同じ中国地方出身ということで、現在の出羽海親方(元関脇・鷲羽山)と仲が良く、今でもいい友達です。
●相撲部屋でのけいこや生活はどうでしたか?
けいこはとにかくきつかったですよ。今ニュースで取り上げられているような集団で金属バットでたたかれるということはなかったですが、気を抜いていると竹刀でたたかれた事もあったし、押しと受けを鍛えるぶつかりけいこでは、こけると早く起きろとけられたこともありました。でも、それはすべて「強くしてやろう」という愛情や「厳しいけいこの中で気が抜けていると大けがをする」という思いからしていること。本来の愛情から来る“かわいがり”と、今取り上げられている“行き過ぎた暴力”との違いを一般の人にもわかってもらいたいですね。
日ごろの生活は、朝4時ごろに起きてまず自分のけいこ。その後、兄弟子たちの部屋の掃除を済ませ、関取のけいこの見学や雑用をします。それが終わったら風呂の手伝い。昼食の給仕といった具合に時間が過ぎていきます。
●今と昔との違いは?
上下関係がやさしくなっているような気がします。自分たちのころは、兄弟子は近寄りがたい存在でしたが、今は友達のように話しているのをよく目にします。また、外国人力士も増えました。自分たちのころは高見山ぐらいでしたから。最近、外国人力士の礼儀の悪さが問題になることもありますが、外国人力士でも日本人より日本人らしい力士もいます。日本人力士でも外国人力士でも、「強ければいい」というのではなく、江戸時代から続く伝統文化に込められた日本の心を理解することが大事だと思います。
●最後に、山口巡業に向けてコメントを。
山口の人に相撲を好きになってもらういいチャンス。是非多くの人に見に行ってもらいたいです。特に郷土力士の豊真将や豊響の活躍には期待しています。
Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)
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