アクセスカウンタ
QRコード
QRCODE
読者登録
メールアドレスを入力して登録する事で、このブログの新着エントリーをメールでお届けいたします。解除は→こちら
現在の読者数 70人

店長情報 トップページ
店長情報

2007年11月03日

脇道

 友人の車に乗せてもらって、目的地に向かい走っていると、その道路から横に伸びる脇道がいく本も見える。時にすごく魅力的な脇道があって、入ってみたいと思うけれど、私は同乗者であるし、目的地に着かねばならないという制約もある。横目でちらりと脇道を見ながら通りすぎる。私が運転免許を持っていたら、後日、一人でその素敵な脇道に押し入って探検できる。免許を習得しなかったことを後悔している。
 先日、Eさんとドライブしていたら、国道の横に、草に覆われた一本の脇道を見つけた。私は、「あの道を走ってみたい」と言った。Eさんは、頷いてほの暗い道に車を入れた。
 細い道でフロントガラスに木の枝や草の種がバラバラと落ちてきた。道はデコボコで身体が上下に揺れた。私は何故かこの奥に美しい隠れ里があり、着物の美少女が道で遊んでいるような気がした。Eさんは「そんなアホな!」と言ったが… 。5分くらい行くと、一軒の廃屋があった。屋根が落ち、蔦が這い、野ざらしの五右衛門風呂には雨水が溜まっていた。大きな黄金蜘蛛が糸を張る傾いた戸口からは、埃まみれの卓袱台や足踏みミシンが見えた。二人とも無口になってじっと立っていた。「懐かしい気分だね。また、脇道を探検しよう」と言ったらEさんは頷いた。


同じカテゴリー(おんなの目)の記事
 見事なびらん (2019-07-24 00:00)
 主題 (2019-07-17 00:00)
 バスが来たら (2019-07-10 00:00)
 居るよ、居る、居る。 (2019-07-03 00:00)
 きんと雲 (2019-06-29 00:00)
 本の海に潜って (2019-06-19 00:00)
Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)おんなの目
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。