2007年12月15日
札の辻・21
07年もあとわずかとなった。路上に散っていた紅葉も枯葉となり、乾いた音を立てて風に走る。
枯葉が凋落の冬を告げるとき、季節の哀感を偲ばせる言葉や歌もある。
かつて越路吹雪が熱唱した歌詞を想い出す。
暮れゆく秋の日よ
金色の枯葉散る
つかの間 燃えたつ
恋に似た落葉よ
上田敏の訳詩集「海潮音」の中で、最も愛唱されたのはヴェルレーヌの「秋の日のヴィオロンの落葉」だった。フランスの詩はヴェルレーヌによって音楽の声を伝えたといわれている。
ヴェルレーヌは天才詩人で放蕩児のランボーを識り、妻も子も捨てランボーと二人でイギリス、ベルギーなどを放浪するが、ついに対立しランボーに拳銃を発射し投獄されるに及んだ。彼の人生は破滅型ランボーのために全く踏みにじられたが、一方ではその天才児とのめぐり合いで詩が大きく輝きを見せた。
季節が流れる
城塞が見える
無疵な魂なぞ
何處にあろう
季節が流れる
城塞が見える。
これは中原中也が翻訳したランボーの詩「幸福」の一節である。中也は世界の詩人は「ヴェルレーヌ、ランボー、ラフォルグ」の3人しか居らぬといった。
そして中也は風車の上の空を眺めた。
(鱧)
枯葉が凋落の冬を告げるとき、季節の哀感を偲ばせる言葉や歌もある。
かつて越路吹雪が熱唱した歌詞を想い出す。
暮れゆく秋の日よ
金色の枯葉散る
つかの間 燃えたつ
恋に似た落葉よ
上田敏の訳詩集「海潮音」の中で、最も愛唱されたのはヴェルレーヌの「秋の日のヴィオロンの落葉」だった。フランスの詩はヴェルレーヌによって音楽の声を伝えたといわれている。
ヴェルレーヌは天才詩人で放蕩児のランボーを識り、妻も子も捨てランボーと二人でイギリス、ベルギーなどを放浪するが、ついに対立しランボーに拳銃を発射し投獄されるに及んだ。彼の人生は破滅型ランボーのために全く踏みにじられたが、一方ではその天才児とのめぐり合いで詩が大きく輝きを見せた。
季節が流れる
城塞が見える
無疵な魂なぞ
何處にあろう
季節が流れる
城塞が見える。
これは中原中也が翻訳したランボーの詩「幸福」の一節である。中也は世界の詩人は「ヴェルレーヌ、ランボー、ラフォルグ」の3人しか居らぬといった。
そして中也は風車の上の空を眺めた。
(鱧)
Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)
│札の辻