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2008年05月31日

札の辻・21

 先夜、天花で集いのあと七尾山の森でホーッ、ホーッと啼くアオバズクの声を聞いた。この鳥は呼名のごとく新緑の頃南方から渡ってくる。
 アオバズクに次いで夜更けるとフクロウが啼く。どちらも農耕地や人家に近い里山のシイノキやタブノキの大樹をテリトリーとしている。エサにする野ネズミなど小動物が捕獲しやすいからだ。
 フクロウは人間の顔を想像させる丸い両眼の表情、頭部を前後左右に回転する動作、昼間は眠り夜の闇をつく飛翔の神秘性が古くから人を惹きつけ、古代ギリシャでは女神アテネの従者と定められ、北海道のアイヌ族はサケの遡上を教えるカムイチカブ(神鳥)として崇めた。
 ところで、福本和夫著「唯物論者の見た梟」法政大学出版92年がある。
 福本和夫は旧制松江高校教授からドイツ留学の後、1924-26年に旧制山口高商の教授となり、その間マルクス主義に関する論文を次々と発表して、福本イズムと呼ばれる進歩的指導者と見られ遂には逮捕され釧路刑務所に収容された。
 戦後は社会科学論で活動するかたわらフクロウの研究もした。
 著書の文中に「私は山口にも住んだが山頭火はどこか梟に似ていると思う。
 ふくろうはふくろう
 でわたしはわたしで
 眠れない  山頭火

 愛読する山頭火句集の中では最も好きな句のひとつである」と。(鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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