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2008年09月06日

札の辻・21

 県立美術館で開催中のベルリン国立アジア美術館所蔵の「美がむすぶ絆」展を観た。
 第二次世界大戦前、日独の交流が深まる時代の1931(昭和6)年1月にベルリンで開かれた日本画家展覧会には、代表的な日本画家が出品し、そのうち11点はドイツ政府に寄贈された。今回はその中の6点とドイツ人コレクターによる幕末から明治に及ぶ日本での蒐集画が出展されている。匂うばかりの白い艶冶な肌、しなやかな指先と官能的でしかも清楚な姿態を見せる鏑木清方の美人画や竹内栖鳳、川合玉堂等、画勢の充実している当時の画家たちの力作を見て、あのベルリン大空襲からよく保存されたものだと思った。
 1990年6月、NNN報道局長会(日テレ系列)でベルリンの壁が破壊された直後の東西ドイツを視察した。そのときDFF(ドイツ・ラテ局)のブルメースター国際局長は語った。
 「ドイツの文化は外来文化を吸収して育てられてきた。忠実に踏襲し保持する日本の伝統文化に対する姿勢に比べて、ドイツ文化は受容も維持も、新たに生まれた精神を弁証法的に発展させた」と。ドイツ映画「会議は踊る」も、主題はウィーンのオペレッタであったことを思い出す。
 ところで勝川春草、歌川豊廣など江戸時代の浮世絵まであつめた異国文化との絆を、敗戦国の混乱から守り抜いたドイツの戦中戦後が偲ばれる画展でもある。
        (鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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