サンデー山口

　宇部、防府、徳山の中心商店街といわれる地区が、いわゆるシャッター通りと呼ばれる状況のなか、山口市の中心商店街はこれらの町に比較すると明るい元気さが覗えると思う。ちまきやのあとを引き継いだ井筒屋も山口の商業文化を支える地方都市デパートとして町と一緒にという意気込みさえ感じられる。
　県庁が山口に置かれた明治初年以来、県都らしい街づくりをリードして来たのは商店街を中心とする商業文化の発展と、またひとつのプロフィルに学園都市がある。その町の姿は風土のもつ歴史や文化と先達の努力が熟成して出来上がった。
　各市の商店街がシャッター通り化しつつある現在、小さくても機能的なコンパクトシティが新しい時代に求められている。東京や大阪など大都市に於いても各区毎の商店街は特色のある町づくりを進める。例えば台東区は東京23区内で一番小さい区でありながら、浅草観音通りは別格にして合羽橋などのコンパクトシティ構成によって集客力を高める努力をしている。
　新しい年を迎えた山口の場合、小郡地区を含めて道州制が近くなりつつある時、魅力あるコンパクトシティづくりにスペイン、中国、韓国等国際文化も香る山口らしさも加えたい。（Ｆ）