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2009年08月29日

札の辻・21

 閑さや岩にしみ入る
 蝉の声
芭蕉が奥の細道をたどる途中、山形は山寺の立石寺に句を残すように、セミは真夏の暑さをかき立てて梅雨明けの頃から短い命の限りを鳴きつづける。
 ことしの梅雨明けは観測史上いちばん遅く、山口では平年より17日、昨年に比べると29日も遅い8月4日だった。
 晩春から初夏にかけて鳴くハルセミは別にして夏の到来をつげるチーチーゼミ、つぎにアブラゼミ、ヒグラシとつづき旧盆すぎからツクツクボウシが夏の終わりを知らせると、セミのコーラスは消えてゆく。
 ところが梅雨明け前の8月2日にあった野田神社能楽堂での薪能の夕刻、神社の森から突然聞こえてきたのはカナカナカナのヒグラシだった。そして我が家のヤマモモの木でチーチーゼミが鳴きはじめたのも梅雨明け後の8月5日からだ。
 ヒグラシは例年立秋のあとに新涼を感じさせて夕暮れを鳴くセミなので、最近は気象だけでなく昆虫を代表する真夏の声楽家の発声サイクルも不順となってきた。
 すでに終わりが近くツクツクボウシの声も細くなっている。このセミはセミの仲間では体長3?と小さく、黒地に薄い緑色の模様を持っており、鳴き声から法師蝉とも呼ばれていることにそこはかとない哀愁すら湧く。
 変則的な気象の中この夏のセミたちのゼミナールも終了する。(鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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