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2009年10月12日

中原中也×大和保男 2人の芸術家の魂が触れ合う時…

 「中也とは25歳しか年が離れていない。もし彼が生きていたら、一緒に芸術について語り合っていたかもしれない」と話す県指定無形文化財萩焼保持者の大和保男さん(75)。陶芸家として常に新しい造形美を追求し続けるとともに、小説や造形論の執筆にも精力を傾ける氏はこのほど、同じ山口に生まれ育った詩人・中原中也に触れることで、これまでにない独特の様式美を確立させた。現在、中原中也記念館(TEL083-932-6430)で開かれている企画展「美と痛み~大和保男の陶と中原中也」の裏側に迫ろうと、話を聞いた。(聞き手/サンデー山口編集長 宇川奈津子)

   ―約70年の時を経て、山口市が生んだ2大芸術家による夢のコラボレーションが実現したわけですが、今どういうお気持ちですか?
 大和 天才・中也の詩と肩を並べて作品を展示できるなんて、とてもおこがましい話です。しかし、中也の、“常識をぶちこわして新しい物を創り出す”という「ダダイズム」の考えと、自分の思想がよく似ている点、青春時代の“原初の美意識”は実は同じようなことを考えていたのではないか。彼を知るにつれてそう思うようになり、企画展ではとにかく今の自分にできる最大限の造形をすることが中也に対する礼儀であり、アピールであると考えました。
 ―中也は30歳で亡くなりましたが、もし中也が生きていたら大和さんとお会いしていた可能性もありますよね。
 大和 そうなんです。私は昭和8年生まれ、彼は昭和12年に亡くなっているので、私が4歳までは生きていたことになる。子どもの頃、母に連れられて湯田温泉に入りに行っていたので、もしかしたらその時すれ違っていたかもしれませんね。実は5年前、私が17歳のころに油絵を習っていた栗林秀雄先生という方に偶然再会したんです。なんと、その時先生は95歳。日展などにも入選される方で「来年春にはちまきやで個展をするから」と元気そうに話してらっしゃいました。しかし、年賀状の返事が来ず、おかしいなと思っていたところ、3月に亡くなられたと聞き愕然としたんです。それから5年後、中也生誕100年祭が行われ、先生が中也と同い年だったことに気がつき、鳥肌が立ったのを覚えています。
 ―栗林先生はどんな方だったのですか?
 大和 長門峡を専門に描かれる方で、私の青春時代、何度も長門峡に連れて行ってもらいました。一人で行った時は、中也の詩「冬の長門峡」を口ずさんで歩いたものです。この場所は、私にとって思い入れの深い場所となりました。
 ―この詩は、中也が長男・文也を亡くした1カ月後に書いたものですよね。企画展では、大和さんの陶芸作品16点を中心に、十代のころ描かれた自画像など計24点が展示されています。中でも核となるのが、長門峡の自然美を表現した陶筥の中に美しい裸像が横たわっている作品「生死流転」ということですが。
 大和 そうなんです。陶筥は、長門峡の自然美や渓流をそのまま切り取ったもの。生死の繰り返しを表現するため、世の中の伽藍に必ずシンボリックな物が入っているように、この陶筥には、中国の楼蘭遺跡から発見されたミイラ「ローラン美女」をイメージし、愛や艶を感じる美しい裸像を横たわらせたのです。
 ―驚きました。これまでの作品とは一線を画す全国レベルでも珍しい発想ではないでしょうか。
 大和 そうかもしれませんね。タイトルの「美と痛み」とは簡単に言えば、美しいものには痛みを伴うということ。青春時代の思いですが、この年齢になったからこそ、このタイトルでこういった作品を生み出すことができました。まずは実物を見にきてもらい、皆さんに何かを感じてもらいたいと思います。
 ◇   ◇   ◇
 企画展は12月14日(日)まで開催中。月曜休館。入館料は一般310円、大学生210円、小中高校生150円。なお、11月7日(金)午後2時から3時半まで、ニューメディアプラザ山口で、大和氏と東京国際ガラス学院の斉藤武男学院長による公開対談も開かれる。入場無料。


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)ニュース
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