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2009年10月17日

札の辻・21

 直木賞作家古川薫氏の著作「三国志(上)」が出版された。

 その日わたくしは
 客にむかえた友人
 たちと舟をうかべて
 赤壁のもとに遊んだ

と序章が長江の赤壁よりはじまる長編の叙事詩でまとめた三国志である。
 この夏古川氏から「目下三国志と奮闘中です」の便りがあった。昨今三国志関係の作品はコミック版に至るまで多様だが、古川三国志は切り口を替え予想を超えた叙事詩で登場し、まるで謀略、機略の横行するなか歴史の大転換をもたらした赤壁の戦いの如く、吉川英治三国志、柴田錬三郎三国志に見るロマンを超えて詩情豊かに展開する。
 三国志は魏、呉、蜀の三国時代の正史で古代日本の記述もあり、登場する人物が千人以上、広汎に及ぶもの語りの舞台には、合戦、友情、忠節、計略など人間の生きざまが複雑に組み込まれた歴史本である。
 私は20余年前に四川省成都で、三国志の英雄諸葛孔明と劉備を祀る武候祠や詩人杜甫記念堂を見学したあと、重慶から宣昌までの約200キロを2昼夜かけて長江の三峡下りをした。
 大河のはるか両岸にそびえる断崖絶壁の岩盤に、桟道を切り開いた民族の強靭なる意志と根気の年月を偲ぶことができたが、古川三国志にも悠遠なる天府の国の流れの如き歴史の旅情が滔流している。 (鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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