サンデー山口

　仁保の「道の駅」でよく餅を買う。駅に立ち寄ったとき蒸した餅米の匂いがするからだ。炊きたての御飯のそれと同じに何かしらほのぼのと暖かみが漂ってくる。
　「日本の美」の著述で木村尚三郎氏は「世界中の食材のうち御飯ほどうまいものはない。炊きたての御飯にパラパラと塩をふって喰べることは最高においしいと思っている。それが自然乾燥の新米であったりすれば、何しろおいしくて拝みたくもなるほどである。それに日本米は外国と異り世界中でいちばん恵まれている水によって育てられてきた」と。
　ところで山口ではないが、学校給食の時間に児童が一斉に「いただきます」と声を揃えて食事をはじめることにつき「給食費を払っているからいただきますは要らない」といった父兄があり、PTAで問題になった町があると聞いた。いただきますはすべての自然の恵みに感謝する心からの言葉で、日本で開催したサミットのパーティーで「もったいない」と日本語であいさつした南アフリカの代表もあった。
この秋山口市内では幼稚園や小学校の子供たちが稲刈りと藷掘りを楽しむ光景が新聞・テレビで報道されていた。
　道の駅で買った餅は塩あんである。（F）