サンデー山口

　「お久しぶりです。最近はお忙しそうですね」。徳佐中の金峰山泉福寺に毎月１回、地元住民らの明るい声が響く。
　同寺では、過疎化が進む同地域を、寺という空間を活用して盛り上げようと、さまざまな催しを開催。毎週木曜日の座禅会をはじめ、コンサートや月替わりでの映画上映会、そば打ちの会など、会の参加者や佐藤智道住職がアイデアを出し合った“お楽しみ企画”が開かれている。
　定年後、一人で暮らす村上勉さん（６４）は「家にこもりがちになることが多いが、この会は人とのつながりが再確認できる貴重な場。他の人と知り合うことで、ほかの行事などにも誘ってもらえ、楽しみが増える」とほほ笑む。
　会には、同寺の檀家だけでなく、一般の人も集い、日常の何気ない話や住職との会話などを楽しんでいる。「過疎という状況は、物質的なものだけでなく、そこに暮らす人の心も過疎にしてしまう。地域が元気になれば、そこにある寺も元気になる。今後もさまざまな持ち込み企画を開催して、地域の人自身が楽しみ、人生を豊かにできる機会を提供していきたい」と佐藤住職。過疎化の波が押し寄せる中、住民による前向きな試みが続けられている。