2010年05月22日
札の辻・21
「霾」つちふると読む。別につちかぜ・つちぐもりもある俳句の難解季語の一つで黄砂をいう。
モンゴルと中国北西部の黄土地帯や砂漠地方では、強い季節風によって舞い上がった砂煙りが大気中に広がり、日本列島にまで及ぶ現象は空の色も黄褐色となって太陽の光程も弱く中国では黄塵万丈と呼称している。
春3・4月は西高東低の移動性高気圧が進み、黄砂の襲来は大陸に近い西日本に多い。
作家の井上靖は「楼蘭」、「敦煌」など西域小説で、中央アジア一帯の荒漠たる砂と岩石の風土を数回にわたり取材した踏査記を残す。
―ゴビ砂漠、キジル・グム砂漠、カラ・クム砂漠、リビア砂漠などに比べるとタクラマカン砂漠の砂の粒子がいちばん細かいと思った。 (中略)
砂漠の自然の風物に水の無い乾いた河の道がある。砂漠の河といったものは、源流は天日に奪われ砂に吸われて次第に先
細りし、やがて砂と大小の岩石で埋めつくされた道になる―と。
草野心平にシルクロードでの詩がある。
砂 嵐
突如。
巻きおこった砂嵐。
その黄色い濛濛の中。
でっかい。
デリシャスの太陽が。
むせりながら。
ああ。
沈む。
日本の春愁の空も又黄土の色調にぬりこめられてゆく。(鱧)
モンゴルと中国北西部の黄土地帯や砂漠地方では、強い季節風によって舞い上がった砂煙りが大気中に広がり、日本列島にまで及ぶ現象は空の色も黄褐色となって太陽の光程も弱く中国では黄塵万丈と呼称している。
春3・4月は西高東低の移動性高気圧が進み、黄砂の襲来は大陸に近い西日本に多い。
作家の井上靖は「楼蘭」、「敦煌」など西域小説で、中央アジア一帯の荒漠たる砂と岩石の風土を数回にわたり取材した踏査記を残す。
―ゴビ砂漠、キジル・グム砂漠、カラ・クム砂漠、リビア砂漠などに比べるとタクラマカン砂漠の砂の粒子がいちばん細かいと思った。 (中略)
砂漠の自然の風物に水の無い乾いた河の道がある。砂漠の河といったものは、源流は天日に奪われ砂に吸われて次第に先
細りし、やがて砂と大小の岩石で埋めつくされた道になる―と。
草野心平にシルクロードでの詩がある。
砂 嵐
突如。
巻きおこった砂嵐。
その黄色い濛濛の中。
でっかい。
デリシャスの太陽が。
むせりながら。
ああ。
沈む。
日本の春愁の空も又黄土の色調にぬりこめられてゆく。(鱧)
Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)
│札の辻