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2010年10月30日

札の辻・21

 あヽ秋が来た
 胸に舞踏の
 終らぬうちに
 もうまた秋が
 おぢやったおぢやった

 中原中也の詩「秋の愁嘆」の一節である。
 中也は1937(昭和12)年、今から73年前の10月22日に、病名結核性脳膜炎により居住地鎌倉市の病院で若い30歳の生涯を閉じる。
 「本当は孝行ものだったんよ」と話しながら見舞に訪れた母堂の手から中也の指が離れ落ちた。クリスチャンの中原家から聖なる無頼が消えたと、実弟中原思郎は自著「兄中原中也と祖先たち」に書き残す。
 当時28歳であった親友大岡昇平は、中也の臨終に間に合わず棺の前で号泣したという。
 中也は東京外語専修科仏語部卒業後、初め高橋新吉の「ダダイスト新吉の詩」に魅せられ、ダダイズム主体の詩を書いたが、ランボーやヴェルレーヌらのフランス象徴詩の影響を受けることから次第にダダを脱し独自の詩風を形成してゆく。
 1929(昭和4)年には岩国出身の河上徹太郎・大岡昇平らと「白痴群」を創刊、1934(昭和9)年に処女詩集「山羊の歌」を刊行、その後「歴程」同人となって草野心平、山之口獏らとの交友がつづく。
 市内吉敷の上東墓地にある大自然石の墓碑名「中原家累代之墓」は、中也が旧制中学3年の筆蹟である。(鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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