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2011年01月19日

殺意2

 父はH警察所に勤務中、Aという事件が発生し、その担当捜査官となったのです。事件Aは最終判決まで長い時間を引きずったということで特異なものでした。その長きにわたった原因の一つに父の初期捜査能力の無能が原因である、と記してあったのです。はっきりと“無能”と書いてあったわけではありませんが、そう読み取れるのです。確かにそう書いてあります。
 小さな日常の中のひとこま。好きな作家の本を読むというなにげない行為。そこでみつけた一行。
 父の丹精した駐在所の裏庭のバラが咲くと、馥郁とした香りが家中を漂いました。満開のバラに囲まれた嬉しそうな父の顔を思い出しました…ふいに私に殺意が芽生えたのです。肋骨の間にそれが生まれたのです。塩味のする殺意。
 氏が書かれたことは事実でしょう。書くにあたっては綿密な調査もなさり心遣いもなさったことでしょう。でも、肉親の私が読むとそう読み取れないのです。身近なことに殺意が芽生える瞬間を意識しました。
 小説ではありませんから、殺意を実行に移すことはありません。
 私も父同様バラを育てています。毎年花が咲くと毎年殺意も生まれるでしょう。私は生きている間その思いをなだめ続けなければなりません。


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)おんなの目
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